1975年NHK土曜ドラマ枠にて放送。
松本清張シリーズの一作で、著者本人がどこかでチラッと出演しているのが魅力。
本作ではタクシー運転手。
原作は松本清張『黒い画集』の同名短編小説。
平幹二朗、香山美子、中谷一郎、殿山泰司などが出演。
あらすじ
新任の銀行支店長・沖田(平幹二朗)はあいさつ回りで、
料亭の女主人・奈美(香山美子)に一目ぼれ。
10か月経った頃には、いい仲になっていた。
沖田を支店長に引き立てたのは常務・桑山(中谷一郎)。
探偵・伊牟田(殿山泰司)から沖田と奈美の仲を知った桑山は、
奈美の融資の稟議をわざと通さず、奈美を自分のものにしようと画策。
まんまと成功し、打ちのめされた沖田の前に伊牟田が現れる。
桑山の敵・副頭取派から頼まれた調査で得た
桑山と奈美が密会している現場写真とネガを沖田に無料で差し出す。
写真とネガを手に入れた沖田は、奈美と桑山を呼び出して――という話。
感想
映像化の比較的多い作品。
主要キャラクターは4人で、観たものでいえば
沖田⇒映画(池部良)、本作(平幹二朗)、1983年版(露口茂)
奈美⇒映画(新珠三千代)、本作(香山美子)、1983年版(梶芽衣子)
桑山⇒映画(平田昭彦)、本作(中谷一郎)、1983年版(山口崇)
伊牟田⇒映画(宮口精二)、本作(殿山泰司)、1983年版(近石真介)
映画と1983年版はDVDになっている。
本作は二つとも異なる独特感のある内容。
特にラストが違い、これはこれでアリかも。
俳優座で一期違いの二人と松竹の美人女優が織りなすアンサンブルは、
思ってた以上に見どころ満載。
ついでにセット感も満載。
めがね屋の鈴木ヒロミツさんを始め、チョイ役の方にもご注目。