松本清張ドラマ「蒼い描点(1983年版)」を観る

1983年フジテレビ『木曜ファミリーワイド』枠で放送。
主演は藤谷美和子。高橋悦史、磯部勉、吉行和子、中尾彬、池波志乃などなかなかのメンバー。

あらすじ

雑誌「月刊新生」の新米編集者・白井典子(藤谷美和子)。
父親は「月刊新生」の編集長・良介(高橋悦史)で、
そのため典子は副編集長の芦田(平泉成)などからお嬢様扱い。

入院して闘病中の母(谷口香)を時々見舞う優しい典子は、
ある日、良介から流行推理作家・村谷阿沙子(吉行和子)の原稿を取りに箱根へ向かう。

ところが、原稿はまだできておらず
仕方なく典子は隣のホテルに泊まることに。

翌朝、原稿を取りに行くも阿沙子はすでに旅館を発ち、
さらに社に顔をよく見せるルポライター・田倉(久富惟晴)が転落死体で発見される。

阿沙子にはゴーストライターがいるともっぱらの噂。
さらに阿沙子の夫・亮吾(中尾彬)と阿沙子の秘書・広子(池波志乃)が失踪。

典子はフリーのルポライター・崎野(磯部勉)と
事件の真相を追うが、そこには哀しい真実が待っていた――という話。


感想

脚本家が交代し、放送が遅れたことでも知られる本作。
そのかいあってか、バランスの取れた一作に仕上がっている。

同じ作品でもこうまで違うものか。
後の2006年版と比べると月とスッポンほど違う。

まず、典子と編集長・白井が親子ってとこが抜群にいい。
藤谷美和子さんといえば元祖プッツン女優で知られているが、
こういう役どころは抜群にハマるお方でもあった。

幽霊シリーズの2代目夕子とかね。
いい女優さんだと思うけど。
ハマればいいのであって普段の人間性とか作品には関係ないでしょ。
聖人君子でドラマができれば世話ないのだ。

父親が高橋悦史さんで母親が谷口香さん。好きな女優さん。
映画「黒の奔流」の事務員とか、倉本聰ドラマ「ガラス細工の家」の刑事とか。

その他、実力派が揃い主人公をバックアップ。
出版社の苛烈な競争、ゴーストライター問題、
家族の絆、親子の葛藤、主人公の成長物語などが縦横無尽に描かれている。

やっぱりこういう風にドラマは行ってくれんと。
スッキリするわけではないけど、味わい深い一品。

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