名作刑事ドラマ「Gメン’75」第7~9話を久々に観る

デアゴスティーニから発売の全話シリーズ第3弾。

第7話「女子学生誘拐殺人事件」

ゲストは郷鍈治、村松英子、早川保、林ゆたか、浜田晃、小林稔侍、寺尾理恵など。

あらすじ

スリルを楽しむために女子学生の間で万引きが流行。
ある日、万引きした少女・礼子(寺尾理恵)を保安係(浜田晃)が捕まえる。

普段、犯人側でどつきまわされるストレスが溜まっていたのか、
礼子をビンタする浜田晃さん。

それを見かねて津坂刑事とオッサンとしか呼ばれなくなった
Gメンの良心・山田刑事は止めに入る。

少女を解放できたと思いきや、街に銃声が響き渡る。
下着売り場の売り上げを拳銃で脅した強盗(林ゆたか)を追跡。

しかし、オッサンは撃たれて傷を負う。
優しい礼子はハンカチを出して血を止めようとする。

その後、Gメンメンバーは情報屋からネタを仕入れ、
屋上のビアガーデンかレストランに現れた強盗を追う。

元ヴィレッジシンガーズ・林ゆたかさんが
ステージで披露したのはドラムではなく拳銃の銃声音。

そして捕まえたのはいいが、横から現れたのは強面の北上(郷鍈治)。
小林稔侍さんを引き連れて刑事かその筋の人か区別がつかない。

なんと強盗が取りに来たのは誘拐の身代金。
誘拐されたのはオッサンを止血した礼子、
そして父親は加納次席検事(早川保)、
母親は北上の姉・貴子(村松英子)というややこしさの結末は――という話。


感想

よくよく見るといろいろつじつまが合わんような気も。
強盗を跳ね飛ばしたのは誰、とか何で死んだはずの人間から電話くるのとか。
そしてそれに全く動揺しない人たちはどうなってんのとか。

ま、保安係が浜田晃さんという時点でそれで終わろうはずもない。
佐藤肇監督って特捜最前線もよく監督していたような。
メンツは豪華なだけにちょっともったいない話。

第8話「裸の町」

ゲストは河原崎建三、児島美ゆき、室田日出男、川谷拓三、梅津栄、三谷昇、田中浩など。

あらすじ

麻薬密売シンジケートを潰すため、動き出したGメン。
その根城になっている野末産業に草野刑事が潜入。

競馬場で周囲にめっちゃ見られながら、
売人の門脇(河原崎建三)を逮捕し、
社長(室田日出男)に見逃す見返りに賄賂をもらう。

一方、響刑事は門脇の彼女・幾代(児島美ゆき)が働く
どう見てもスナックというより喫茶店みたいな店に勤め情報を探る。

麻薬患者(三谷昇)が店に来たせいで
幾代に正体を知られた門脇は足を洗おうとするのだが――という話。

感想

ある意味Gメンの非情さが際立つ話。
組織壊滅のためなら足を洗おうとした門脇を一応守りつつも、
幾代ともども不幸に押しやる形となってしまう。

まあ、まだ死なずに済んだだけええやないかとも思うのだが。
一番哀れなのは最後だけ出てきて撃たれて死んじゃう田中浩さんだ。

悪役でならしたお方だが、我々にとっては丸大ハムのおっちゃんでもある。
幼心にハムのおっちゃんが出てくるたび、
殴られるわ撃たれるわぶち殺されるわで世の中どうなってんのと思ったもんだ。

室田日出男さん&川谷拓三さんがいる限り、そこはもう東映の世界。
シャブ中の三谷昇さん、マスターの梅津栄さんはちょっとしか出なくてもインパクト大。

店に流れる「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」始め時代を感じますな。
当時は今よりもどこで生まれ育つかが人生に影響していましたわなあ。
本当の主人公は町なのかもしれない。風景というか。

「裸の町」ってタイトルの作品は確かにいろいろあるけれど、
一番有名なのは1948年のアメリカ映画じゃないのかねえ。

第9話「ニセ関屋警部補」

ゲストは長門勇、牧れい、水原麻記、今回も刑事だ小林稔侍、新倉博など。

あらすじ

女子大生・牧子(牧れい)がガス自殺を図った。
その理由は警視庁の関屋警部補に騙されたから。
牧子からの予告電話を受けた所轄署の犬飼刑事(長門勇)は関屋を逮捕。

しかし、身に覚えのない関屋は怒りに燃えて偽物を追う。
牧子を食い物にしたのは関屋の名を騙った結婚詐欺師。
関屋は定年間近の犬飼とともに犯人を割り出したが――という話。


感想

関屋と犬飼の刑事として、男としての友情が光るエピソード。
それだけに結末の哀しさが響くこれまた初期を代表する作品と言える。

当時の長門勇さんは43歳って今の43歳とはだいぶ違うなあ。
俺より年下にはどうやっても見えねーんだが(どうかな?)。

Gメンの魅力っていろいろあるけど
名前を呼ぶ時、名字で言うのがいいよね。ニックネームとかでなしに。
ま、オッサンはニックネームというよりそのままだから別として。

カット数の多さとかこれ、時間かけてんな~って思うし。
労働基準法もへったくれもありませんわな、ものづくりには。

こういうドラマを観て育ってこれた我々はある意味幸せかもねえ。
その割にはちーとも成長していない社会を見て暗澹たる気持ちにもなるのだが。
いつの時代のものであれ、いいコンテンツは残っていく。
そういうもんを書かんとアカンわねえ。

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