神津恭介の殺人推理1「刺青殺人事件」を久々に観る

1983年に土曜ワイド劇場で放送。
神津恭介の殺人推理シリーズ第1弾。
原作は高木彬光の同名ミステリ。
主演はもちろん近藤正臣。大和田獏、叶和貴子、高田美和、仲谷昇、志垣太郎などが出演。

あらすじ

刺青コンクールを取材に来たルポライターの松下研三(大和田獏)。
そんなもんあんのかと思うけれど、あるとこにゃあんだろ。

審査員で原作者の高木彬光さんも登場。
こういうのが昔のドラマのいいところだわね。

最上工業の社長の愛人でクラブ「セルファ」の雇われママ、
野村絹枝(高田美和)が踊る踊る、ほとんどストリップ。

そこには店で働くカルーセル麻紀もいれば、
最上工業社長の弟・あかんたれ久(志垣太郎)もちゃんといる。

そして入れ墨に異常な執着心がある早川(仲谷昇)も審査員席に。
コンクールが終わってからセルファに行った研三。早川も当然いる。

背中のおろちの刺青欲しいんや、ママ~!
変態としか言いようのない早川だが、仲谷昇さんが演るとなぜか納得。
この後も事あるごとに何が何でも刺青優先の姿勢を貫きまくる。

そしてむっつりスケベの研三はちゃっかり絹枝と寝る。
それも取材だ、ライターとしての鏡だある意味。

ところが神津恭介(近藤正臣)の妹、
本作だけ登場の叶和貴子に惚れてるもんだから
絹枝からのSOSを無視するという暴挙に出る。

そこはいかんかい、情けないライターめ。
オモロい方向に行かんといい取材はできんぞ。

翌朝そう思い直したかどうかは定かでないが、
絹枝のマンションに向かう洗濯屋ケンちゃん。

ところがチャイムを押しても返事無し。
鍵は開いていて中に入ると早川が隠れていた。

何してんねん!って話だが、お互い様じゃねーか。
浴室から水が流れる音だけが聞こえ、
ベランダから鉄格子越しにガラスをたたき割ると絹枝のバラバラ死体が。

かくして連続殺人の幕が切って落とされた――という話。


感想

古き良き土曜ワイド劇場感満載の第一弾。
エロとサスペンスの融合といえば聞こえはいいが、まあそんなとこだ。

高田美和さんは刺青入れて踊るわ、首斬られるわで大忙し。
ロマンポルノ映画『軽井沢夫人』ってこの頃だったような。

最初の浴室の密室トリックは
横溝正史『本陣殺人事件』と並び称される有名なもの。

それは前半で割と早く解き明かされるのだが、
それからが神津恭介シリーズのある意味真骨頂。

シリーズ後半とはうってかわって
顔色の悪ーい神津恭介が事件を解き明かしていく。

密室トリックより刺青に関する心理トリックが今観ても斬新。
ハングマンのバイクが捜査会議のシーンでちょいと出演。

ハングマンから刑事になったんかいと思ったが、
よくよく考えれば刑事からハングマンになったんだからUターンしたんだな(笑)

ちょこっとしか出てこない人でもいろいろ楽しめる作品。
わかってても面白いものはいつ観ても面白いのよね。

追記

DVDの解説書を書かせていただきました。
あらためて観ても、原作の雰囲気が出てるいい内容だと思います。

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