1971年10月から約1年間放送。全40回。
いわゆる石立鉄男&ユニオン映画シリーズドラマ第2弾。
笑いあり、涙あり、衝撃の最終回など単なるホームドラマではない魅力が満載。
松木ひろしさんなど脚本家チーム、大野雄二さんの音楽などおなじみのメンツの手腕が光る。
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あらすじ
主要メンバーは以下の通り。
坪内めぐみ・・・榊原るみ。
清水文彦・・・石立鉄男。
清水輝正・・・山田吾一。
清水小夜子・・・水野久美。
清水力丸・・・山本紀彦。
清水呂之助・・・佐野周二。
清水純・・・関口守。
清水八重子・・・冨士眞奈美。
大杉たま・・・浦辺粂子。
坪内宏子・・・杉葉子。
父親・呂之助と子ども5人、ばあやのたまがいる清水家。
呂之助はかつて船舶会社を経営していたが倒産していた。
家計を支えるのはサラリーマンの長男・輝正、
小さな金融会社を経営する次男・文彦、社長秘書の長女・小夜子。
そこにアメリカ留学することになった末っ子の純の婚約者、
めぐみが同居することに。
なんやかんやありながらも清水家で暮らしていためぐみだが、
純が留学先で心筋梗塞で突然亡くなってしまう。
両親のいないめぐみはそのまま清水家に留まる。
文彦はじめ3兄弟は全員めぐみに気があるのだが――という話。
感想
第1弾「おひかえあそばせ」に続くシリーズ第2弾。
前作は6姉妹のところに男1人が転がり込む展開だが、
本作は4兄弟と長女のところに女1人が暮らすという話。
それまでのホームドラマといえば下町が舞台で
狭い家にわしゃわしゃ暮らすというイメージだったが、
本作は二階建てでばあやを雇うぐらいの収入のある家。
やっぱりこういう舞台設定が大事ですな。
3兄弟のアンサンブルが本作の魅力の一つ。
山田吾一、石立鉄男、山本紀彦のバランスの素晴らしいこと。
そこに末っ子がいるわけだがアメリカ留学して正解。
なんせセリフ棒読み感がある意味素晴らしい(笑)
佐野周二の息子であり、関口宏の弟でもある。
ま、一家揃ってお世辞にも上手とは言えない面々。
ま、佐野周二さんの場合、かえってそれがいいような気もするが。
浦辺粂子さんのばあやはやっぱりハマっている。
ハイライトの1つは第11話。
純の突然の死を家族が知った後の回。
それぞれの芝居が素晴らしい。
亡くなった純との結婚式を兄弟がお膳立てしていく過程が泣ける。
また第25話は小夜子が愛した屋台のラーメン屋・竹山が事故死。
正確には第24話の最後の方だけど。
落ち込む小夜子を厳しくも温かく接する家族愛が描かれる。
ラストの大団円感が心地いい。
竹山役は橋本功さん。
この人が出た特捜最前線の回、好きだったなあ。
金八先生2の生徒役の人と出た回。
変わり種は第27話。
舞台裏を織り交ぜた特別構成で、一種のメタフィクション。
なかなか書けない脚本家役が三谷昇、監督役が天本英世。
よみうりランドの回るコーヒーカップに乗って、
脚本を考える姿は書いた経験のある人間にとってはすげえ共感できるものがある。
そして今なお賛否両論ある最終回。
輝正と八重子に子どもができるハッピーな展開かと思いきや、
小夜子が子持ちの男と結婚すると言い出すヘビーな展開に。
さらにめぐみの死んだと思われていた父親が実は生きていて、
フランスで画家をしていることがわかる。
その前には家を売って郊外に引っ越す話も進んでおり、
清水家には40回引っ張ってきて最大の暗雲が。
結果的にめぐみは余命少ない父に会いにフランスへ行く。
新居でも仲良く過ごすことを夢見ていた家族もバラバラに。
ラストは感動のシーンで終わるかと思いきや、
それを打ち壊すような衝撃の場面で終わっていく。
家族は永遠のものではないというメッセージなのか。
こういう終わり方を書けるのはある意味凄い。
どうしても楽なというか、いい方向に終わらせようとしがちだから。
シリーズの中でも屈指のシリアスさを併せ持つ作品。