1968年公開のアメリカ映画。
監督は後に「ダーティーハリー」を撮るドン・シーゲル。
主演はリチャード・ウィドマーク。
悪役のイメージが強いが早くから独立プロを持って
この映画に主演する頃には善悪こなせる性格俳優としての地位を確立していた。
もっとも「オリエント急行殺人事件」で
刺されまくるラチェットのイメージも強いのだが。
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あらすじ
舞台はニューヨーク。
市警察の刑事マディガン(リチャード・ウィドマーク)は
相棒のボナーロ(ハリー・ガーディノ)とともに
ギャングのベネシュをとっ捕まえにいくものの逃げられてしまう。
しかも拳銃を奪われたもんだからシャレにならない。
本部長のラッセル(ヘンリー・フォンダ)から3日以内に
探すようにタイムリミット切られるわ、
嫁のジュリア(インガ―・スティーブンス)には不満言われるわ、
刑事とはいえ現場で働く者の悲哀が風貌と相まって似合いまくる。
で、本部長はといえば不倫だなんだ、
警察内部の汚職に心痛めて…いるかどうかはよくわからんくらい
無表情なヘンリー・フォンダが担っている。
相棒と捜査を進めるマディガンは
ベネシュをようやく追い詰めたのだが――という話。
感想
昔、映画に興味を持ち始めた頃に初めて見た作品。
その頃はラストシーンをなんじゃそりゃと思ったもんだが、
今観るとなかなか味わい深いと感じるのだから不思議なもんである。
そんだけ歳とったってことね。
ま、平たく言えばアメリカ版『野良犬』みたいなもんである。
そういう中にいろいろリアリティな部分だとか、
ラストでいえばアメリカン・ニューシネマ的要素もあるんかね。
マディガンのキャラは後にテレビシリーズになるんだねえ。
リチャード・ウィドマークが同じ主演で。
スピンオフっちゃスピンオフになるんかね。
スーザン・クラークも出てるけど
この方、刑事コロンボにも出てましたわな。「もう一つの鍵」。
トリシア・ベントレーって車かいな、アンタ。
ヘンリー・フォンダの本部長と付き合っている上流夫人。
上流とかいう言葉に反射的に虫唾が走りますな。
貧乏人なめんなよ、この野郎みたいな。
あの事故の話はその後どうなってんのかね。
マスコミはその時だけじゃなくその後もきちんと報道せえよねえ。
そういうところもあって、マディガンは応援したくなるキャラ。
テレビシリーズ観る機会がありゃいいんだけどねえ。
しかしやっぱり、ドン・シーゲル映画は肌に合いますな。