1975年NHK土曜ドラマ枠にて放送。
プラハ国際テレビ祭金賞の栄誉に輝いた名作。
原作は松本清張の同名作品。演出はガハハおじさん・和田勉。
主演はそ~なんですよ川崎さんの川崎敬三。
佐藤慶、中原ひとみ、中村玉緒、加藤嘉、内藤武敏などが出演。
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あらすじ
官舎暮らしの下級官僚・山田(川崎敬三)。
ある日、岡村局長(佐藤慶)の北海道出張に同行するがとんぼ返りすることに。
山田と同じ官舎に暮らす課長補佐・倉橋(内藤武敏)が
収賄容疑で警視庁に呼び出されたのだ。
省内が騒然とする中、謎の実力者・西(加藤嘉)が岡村に情報を持ち込む。
岡村は釈放になった倉橋を出張扱いで遠ざける。
作並温泉に隠れた倉橋のもとに、西が訪れ“善処”を要請。
そして次の日、倉橋は死体となって発見された。
自殺か事故死か、それとも――。
山田は倉橋の死に疑問を持つのだが――という話。
感想
無駄がなく、テンポも遅いようでメリハリが効いている。
ガハハおじさん、やりおるなあって感じのいい作品。
しかし、佐藤慶さんには非情な官僚役がやたらと似合う。
1975年だからロッキード事件はもう出てるな。
そんな中、官僚の汚職に触れる内容だったのだから話題になったのも無理はない。
いろんないいシーンがあるけれど、
役所のために“善処”を語る加藤嘉VSそれを拒む内藤武敏が素晴らしいの一言。
現代でもこういう構図は変わらんのでしょうな。
ま、官僚に限らずどんな組織でも大なり小なり一緒。
他所のことは何でも暴くが、自分とこの話になるとすぐ隠す。
まあ100%真っ当なもんなんてありゃせんのだけど。
結局登場人物たちよりもっと上の方からの圧力がかかり捜査は終了。
事件を追う気だった新聞記者も配置転換。角野卓造さんがやたら若い。
この頃、乱塾時代なんて言われていた頃だから
倉橋が息子の勉強をやたらと心配する姿が冒頭にある。
元気でいるより組織のために死んだ方が
家族が潤うという何ともまあ皮肉な展開に。
流砂とは流されやすい砂ってことだが、
人の心ってのはそんなものなのよねえ。
世の中、砂だらけ。そりゃグレーですわな。
青空が広がる世の中は果たして来るのだろうか…