1978年NHKで放送された松本清張シリーズの作品。
原作は松本清張「獄衣のない女囚」。映像化はこれ一度きりなのかな。
出演は岡田嘉子、奈良岡朋子、内藤武敏、河原崎建三、重山規子など。
あらすじ
マンション「リバーウエスト」の最上階は女性だけにしか借りれない女の館。
ある日、その部屋の一つに住む服部和子(奈美悦子)が
洗濯物を干しに屋上へ上がってみるとそこには女性の死体があった。
被害者は山本菊江(小寺由紀)といい、このマンションの住人ではない。
捜査に当たった赤塚刑事(内藤武敏)と田村刑事(河原崎建三)は
元外交官夫人・栗宮多加子(岡田嘉子)、洋裁学校教師・村瀬妙子(奈良岡朋子)、
ファッションモデル・南恭子(重山規子)の三人に容疑を絞るが――という話。
感想
原作とドラマは随分内容が異なる。
原作は人気の公営独身アパートが舞台で
男性専用と女性専用に分かれており、その女性専用アパートで事件が起こる。
しかも原作は女子アパートの地下の浴槽で
死体が発見されるが、ドラマは屋上だ(笑)
原作ではさらに男性が殺され、村瀬妙子も殺される。
連続殺人ものであり、トリックもあるわけだがドラマでは無視。
殺されるのは一人だし、そもそもどうやって殺したかには
あまり視点が置かれていない。犯人は原作と一緒だけど。
南恭子の役はドラマオリジナルですな。
なもんで全然違うんだけど、まあこれはこれでありっちゃあり。
最後はだんだん舞台劇ですかみたいな状態になってくる。
松本清張もパトロン的役で出てくるんだけど、なんか動きがおかしい(笑)
スーツがあまり似合わんのかもしれんね、あのお方には。
ドラマにはしにくい原作かもしれんけど、
形を変えれば今でもできるんじゃないかなあ。
老人ホームとか、ちょっと金持ってる独居老人のマンションとか。
はたまたオーナーがマンション持っていて、
そこにいろいろ知り合い入居しているマンションとかね。
見せ方考えりゃやれると思うんだけど。
このドラマに関してはちょっと原作のとらえ方が中途半端な感じがする。
今の方がね、より面白くできるんじゃないかなあ。