実際の事件がモデルの映画「丑三つの村」を観る

1983年公開の松竹映画。
原作は西村望の同名ノンフィクション小説。
映画は事実と違う部分はいろいろあるが、大きい流れは事実に沿っている。

あらすじと感想

モデルは岡山の山奥で起きた「津山三十人殺し」。
横溝正史「八つ墓村」のモデルでもある。

ちなみに小説ではこんな事件が過去にありました、
程度にしか触れられておらず(たしか)、
映画のように「たたりじゃ~」みたいな描写はなかった様な
(映像的にはインパクト大だけど)。

実在の事件に関してはネットを検索すれば
これでもかと出てくるのでパスして映画の内容を。

一言でいえば破滅型青春映画である。

事件のインパクトが強いため、
スプラッターホラーを想像すると「?」となることは間違いない。

松竹製作だけど監督は日活出身の田中登。
そのせいもあってか内容は陰惨だが変に明るい。

音楽がまたなんていうかこれじゃねえだろうと思うのだが、
このあたりも変な明るさと青春映画っぽさに一役かっている。

日活ロマンポルノのスター監督だけあって濡れ場はお手のもの。
女優陣の大胆な演技が印象的。

かまきり夫人五月みどりや池波志乃、若かりし田中美佐子が脱いでいる。
今の女優もこれぐらいかましてほしいものだ。

しかし、人間の業とは恐ろしい。

特定の人間がこういった事件を起こすわけでは決してなく、
誰もが一歩間違えばそうなってしまう可能性はあるのだ。

そのあたりの情念というか怨念みたいなものは映画では不足してた。
これが東映だったら大傑作か大外れかどっちかだったろうな。

しかし、日本における因習というのは目に見えないだけで、
今日でもまだまだ残っているに違いない。

ムラ社会の弊害はまだまだそう簡単には無くならないし、
形を変えて継続されるものだ。

現に田舎で結構血なまぐさい事件もたまに起きるし。
だいたい殺人事件に関しては都会だろうが田舎だろうが
発生率はあまり変わらんのよね、確か。

ケータイやパソコンがなんぼ高度になろうが関係ない。
そういう部分を昔の話で描くのではなくて、現代の話で描けるもの書きでありたい。

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