高倉健主演・東映仁侠映画「昭和残侠伝 死んで貰います」を久々に観る

1970年公開の東映仁侠映画。
昭和残侠伝シリーズ第7弾。
主演はもちろん高倉健、監督はマキノ雅弘。
藤純子、池部良、長門裕之らが出演。

あらすじ

賭場でいかさまに引っかかったあげく、
ボコボコにされていた秀次郎(高倉健)を
優しく介抱してくれたのは芸者見習の幾江(藤純子)。

それから3年、賭場でいかさまを見破り
刑に服していた秀次郎だったが関東大震災の知らせを聞き
生まれ故郷である東京下町の料亭「喜楽」の無事を願う。

震災復興で街が生まれ変わる東京で
「喜楽」を懸命に支えていたのは板前の重吉(池部良)と
秀次郎の小父である寺田(中村竹弥)だった。

出所した秀次郎は偽名で板前として「喜楽」で働きだす。
重吉と寺田の計らいで秀次郎は幾江と再会。
秀次郎にもやっと落ち着いた生活が見え始めたのだが――という話。


感想

まいどおなじみ「唐獅子牡丹」をバックに
高倉健が歩いてきて池部良が待っていて「お供いたします」と
二人歩いていく我慢劇爆裂パターンストーリー。

よくクライマックスは殴り込みのシーンだと考えがちだが、
シナリオ的に言えばこの歩いていくシーンこそがクライマックス。

シリーズ最高傑作との呼び声が高いのだが、
正直そこまでは思わない。

なんでかというと悪役にもうひとつ魅力がない。
ていうか薄い。

あとストーリー的に我慢劇としては弱いかなあ。
藤純子さんの純情可憐な芸者はとてもいいけど。

当時「網走番外地」「日本侠客伝」「昭和残侠伝」と
三大シリーズだったわけだけど、話の濃密さでいえば
鶴田浩二「博奕打ち」シリーズとかの方があるような気が。

そうは言っても雨降る中の大銀杏の下で
秀次郎と幾江が出会うシーンとかはさすがの出来栄え。

なんやかんやで仁侠映画史を飾る一本。

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