第16回「このミステリーがすごい!」大賞・優秀賞受賞作。王道の警察小説で、タイトルは警察用語「スジ読み」から来ている。あらすじ女性モデルを殺害したと出頭してきた男・山下。現場に会ったDNAが彼のものと一致し、犯人間違いなしと思われたが警視庁捜査一課の飯綱刑事だけが異を唱える。飯綱は捜査を外され、車に轢かれた少年がなぜだか直後に連れ去られるという事件を担当することに。少年の居場所を見つけ出し無事保護
>>続きを読む
第17回日本推理作家協会賞受賞作。1979、1991、2007と3回テレビドラマ化。悪徳警官を描き警察小説のはしりとなった名作。あらすじ裏社会と癒着が指摘されていた徳持刑事。その理由は幼馴染がヤクザの幹部になっていたからだった。ある日、徳持刑事が失踪。翌日に死体となって発見される。疑惑の同僚の死にやりきれない思いの安田達刑事はもやもやを振り切るように捜査に没頭。ついに幹部の関口を見つけ逮捕にこぎつ
>>続きを読む
1990年刊行の短編集。単行本未収録作品をまとめたもの。1「悪女の舞踏会」は1964年発表の作品。金持ちの後妻に収まっている女。その彼女にいいように弄ばれた2人の男と恋人を奪われた女。ある日、誕生パーティーにその3人が招かれる。それぞれがこのふざけた女を殺したいと思っていたのだが、金持ちの夫が彼女のグラスに入ったシャンペンを飲んで死んでしまう。女に恨みを持った誰かの犯行か、それとも財産目当ての女の
>>続きを読む
2015年発刊のスポーツ本。1979年に春夏連覇を遂げた和歌山県立箕島高校。甲子園で公立校唯一春夏連覇を達成したことで知られるが、正直そんなのは最近言い出したことで、当時話題になった覚えはない。ていうか小学校に入る前だし記憶がないだけとも言える。ま、なんにしろ春夏連覇が偉業であることに違いはない。プロ選手になった人のインタビュー始め貴重なインタビューと写真がてんこもり。春夏連覇を達成したメンバーに
>>続きを読む
1965年出版の長編ハードボイルド。真木シリーズの第1弾にあたる。日本のハードボイルドの嚆矢とも言える作品。1983年に火曜サスペンス劇場で山本陽子・髙橋悦史主演で映像化。あらすじ元刑事で私立探偵の真木。ある日、資産家の磯村から孫娘の捜索を依頼される。劇団の研究生だった乃里子の行方を追う真木の前に、次々と新しい事実が明らかにされ、そして殺人が――という話。感想読み返すたびに面白くなる味のある作品。
>>続きを読む
1987年出版の名作。特にラストシーンが心に残る。あらすじ昔なじみのフリーライター・井田が初めて出版した本。驚くほど派手な出版記念パーティーにかけつけた恵子。博多に嫁いでからは東京に来ることは全くなかった。恵子がかつてモデルをしていたことを知る人はほとんどいない。ホテルに帰り本を読んだ恵子は、思わず井田に電話して激怒した。同じモデルクラブに所属していたゆい子のことが――。1960年代、高度成長期の
>>続きを読む
第39回江戸川乱歩賞受賞作。女流ハードボイルド作家の誕生が話題を呼んだ。あらすじ親友のノンフィクションライター・燿子が一億円を持って失踪。その金は警察に届けることのできない金だった。大金を預けたのは成瀬。暴力団に繋がる中古車ディーラー。とばっちりを受けた村野ミロは一週間以内に成瀬と一億円と燿子を探し出さなければ東京湾に浮かぶハメに。燿子はベルリンのレポートでライターとして浮かび上がろうとしていた。
>>続きを読む
1993年出版のハードボイルド学園ミステリ。当時あった角川ミステリーコンペの一冊だった。あらすじ元カメラマンで探偵の辰巳。彼は3年前やらせ事件の発端となった写真を撮影していた。その中の一人、甲子園が有力視されていた投手。彼は殺人の嫌疑をかけられ逃亡していた。辰巳は早紀という少女からその元投手の捜索を依頼される。辰巳は否応なく三年前の事件と向き合うことになる。新興学園都市に隠されたどす黒い中身、巻き
>>続きを読む
1977年初出の作品。モデルになったのは1952年大分で起きた菅生事件。駐在所爆破を警官がでっち上げたフレームアップとして有名。あらすじ朝日新聞社に勤めている新聞記者・池島。しかし、小倉に転勤した後レッドパージにあう。地域新聞を作るなどしながら糊口をしのぐ池島だが黒人脱走兵事件などを扱いGHQににらまれ囚われの身に。サンフランシスコ講和条約が成立し釈放された池島はひょんなことから豊後日日新聞の社会
>>続きを読む
1985年に光文社から出た「地獄の辰・無残捕物控――首なし地蔵は語らず」の改題作品。収録作品は「首なし地蔵は語らず」「夜鷹が水を欲しがった」「縁切寺で女は死んだ」「水茶屋の闇を突く」「半鐘が赤い雪に鳴る」「瓦版に娘が欠けた」「賽は知っていた」の7編。ストーリー全体についてはこちらを参照。ま、とにかくアナーキーである。救いのない話が巻き起こる。「夜鷹が水を欲しがった」なんかは本格推理としても優れモノ
>>続きを読む