2012年に光文社から出版されたベスト・オブ「木枯し紋次郎」の1冊。収録作品は10篇。「赦免花は散った」……小説現代1971年3月号「童唄を雨に流せ」……小説現代1971年6月号「川留めの水は濁った」小説現代1971年10月号「木枯しの音に消えた」小説現代1972年3月号「女郎蜘蛛が泥に這う」小説現代1972年7月号「夜泣石は霧に濡れた」小説現代1972年10月号「上州新田郡三日月村」小説現代19
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1981年出版の作品。1980年7月から1981年5月にかけて「女性自身」で連載。あらすじ丹後半島・犬ヶ岬の断崖で起きた連続殺人事件。被害者はホテル経営者の男と人気タレントの妻。被害者同士の接点が見つからないまま、容疑者として浮かんだのは男の友人・水沼だった。その水沼の愛人である香織は水沼の無実を証明するため奔走する。だが、そこで見つけたものは――という話。感想これまた完璧な密室と思えるアリバイ崩
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「問題小説」に1971年から1974年にかけて連載された7つの短編を収録したもの。「夕映えに明日は消えた」は東宝で映画化されたが内容が暗すぎるということで未公開となっている。内容は何らかの事情を抱えた初老(といっても30代半ばとかだが)渡世人としてはもう若くない連中が一話一話で死んでいく。なんともまあ物悲しい感じの話ばかりなのだが、カタルシスはある。さらにミステリ仕立てになっているものも多く飽きさ
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1975年発表の著者の記念碑的出世作。高倉健主演で映画化され、「追捕」のタイトルで中国でも公開。大ヒットとなった。2018年公開の映画「マンハント」の原作でもある。あらすじ東京地検のエリート検事である杜岡。しかし、強盗強姦の嫌疑をかけられ逃亡する羽目に。しかも、被害を訴えた女性、目撃者ともに殺害されその容疑者としても追われることになる。人の目を逃れ北海道に潜伏する杜岡。ヒグマに襲われた若い女性、真
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1984年初出の作品。1997年にフジで、2008年にTBSで浅見光彦シリーズの1つとして映像化。あらすじ東京都営染井霊園の一角で男が殺された。死体の第一発見者は光彦の母親、雪江。警察の事情聴取に腹を立てた雪江は光彦に捜査協力をさせることにする。現場写真を見た雪江は自分が発見した時と腕の位置が違うことを指摘。そのことから光彦は凶器が墓石であることを推理。しかし、墓石の前で殺されたことしか手がかりが
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1971年に今話題の週刊文春に連載されていた作品。土曜ワイド劇場の初期、1978年に桜田淳子主演で映像化されている。観たい。あらすじ出版社に勤める矢野は編集長から取材を頼まれる。ネタは新興の化粧品会社が主催する洋上大学。イマイチ気乗りしない矢野だったが、失恋したこともあり気分転換に取材を承知する。豪華客船セントルイス号は有名講師5名、選ばれた100人の若い女性たち、矢野と女性週刊誌の記者黒木らを乗
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1998年初出の作品。舞台は徳島県、吉野川可動堰問題を扱っている。2007年にTBSで映像化。あらすじ四国八十八カ寺の取材で徳島を訪れた浅見光彦。第五番「地蔵寺」の本堂の裏手にある五百羅漢で出会った女性をモデルに写真を取り名前を聞いた。女性は今尾賀絵と名乗った。脇町の図書館に勤めているという。祖谷渓を訪れ取材する中、迷宮入り直前の殺人事件の存在を知り興味を抱く光彦。翌日、脇町の図書館を訪ね賀絵に会
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1985年初出の「信濃のコロンボ」こと竹村警部の活躍を描いた作品。2003年にテレビ東京で中村梅雀主演で映像化。あらすじ信州毎朝新聞の編集局次長・牧田が絞殺された。前日に口論していた部下の中嶋が疑われるが、同僚の青木や新妻の洋子が彼を助ける。しかし、恵那山トンネル・長楽寺・寝覚ノ床で次々と絞殺死体が発見される。大阪出身の洋子が発見現場が長野県歌「信濃の国」の4番の歌詞に出てくる地名と一致することに
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1965年初出の作品。その時のタイトルは「穽」だったが1975年刊行時に「裏切りの明日」に変更。1975年に原田芳雄主演で連ドラ化、1990年に工藤栄一監督・萩原健一主演でVシネ化。日本における警察小説のはしりの1つといえる本作。悪徳警察官が主人公というのは当時としてはタブー的設定であった。刑事が主人公の犯罪小説ともいえる。主人公沢井は警察官になった時から悪事に手を染めていたわけでなく、どちらかと
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1998初出の作品。2002年に映画化された。あらすじ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着。特殊部隊11名が密かに上陸、逃走という未曾有の事態に日本政府は大混乱。犠牲者が続出する中、首相はついに自衛隊の出動を決断。有事に際し日本は本当に国民・国土を守れるのかを鋭く問いかけた作品。 感想当時に比べ法整備は一応進んだとはいえ本当に有事が起きた時同様の混乱が予想される。映画化にあたっては当時の防衛庁・自衛隊
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