直木賞作家・連城三紀彦「人間動物園」を読む

2002年出版の作品。2009年にWOWOWでドラマ化。あらすじ記録的な大雪に見舞われた埼玉県の某都市。そんな中、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。前日には犬が誘拐されたとわめいた被害者宅の至る所には盗聴器。身動きがとれない警察になぜか被害者の母親は非協力的。そのうち誘拐はそもそも狂言ではないのかとの疑問も。誘拐事件に先立って起きた動物たちの事件は関係があるのか?二転三転する中、明
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伝説のデビュー作・赤川次郎「幽霊列車」を久々に読む

1978年出版の短編集。第15回オール読物推理小説新人賞受賞の表題作のほか、「裏切られた誘拐」「凍りついた太陽」「ところにより、雨」「善人村の村祭」の計5編を収録。「幽霊列車」は山間の温泉町に向かう列車から8人もの乗客が突然蒸発してしまう。この難事件を中年警部・宇野と推理マニアの女子大生・夕子がドタバタしながら解決していく話。初期の土曜ワイド劇場で岡本喜八監督で映像化。もはや伝説のドラマと化してい
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ハードボイルド・生島治郎「兇悪の警察」を読む

1987年初出の作品。「兇悪」シリーズ初の長編。それまでの4冊は連作短編集で「兇悪の門」はじめ天知茂主演「非情のライセンス」の原作となった。あらすじニューヨークで日本人の若妻が射殺された事件。夫の尾形友一は多額の保険金を受け取り、三島安代と再婚した。しかし5年後、尾形は前妻殺しの容疑で逮捕され獄中へ。事件はマスコミをにぎわせた。警視庁特捜部の会田は安代と懇ろになったことからこの事件を追うことになり
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西村寿行の処女長編「瀬戸内殺人海流」を読む

1973年出版の実質デビュー作。1980年に土曜ワイド劇場でテレビドラマ化。西郷輝彦、池上季実子、大坂志郎などが出演。観たいなあ。あらすじ汚職の疑いをもたれていた男が謎の変死を遂げる。さらに捜査線上に浮かんだ人妻が失踪。そして二週間後、東京から遠く離れた小豆島沖で溺死体になって発見。最愛の妻を奪われた狩野の怒りは収まらない。会社を辞め、妻の死の真相を追求することを決意。しかし、事件の背後にうごめく
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伝説のデビュー作・大藪春彦「野獣死すべし」を久々に読む

1958年出版のデビュー作。いまだに色あせることのない鮮烈な内容。映画になること3回、復讐編を入れれば5回の名作。あらすじ敗戦の混乱の中引き上げてきた人々。ハルピン生まれの伊達邦彦もその一人だった。彼は様々な経験をし、ストイックにとことん目的達成のためには手段を択ばないニヒリズムなどを成長するにつれ身に着けていった。そして彼が計画したのは美しいまでの完全犯罪。狙う獲物は巨額の大学入学金。冷ややかに
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名作ミステリ・土屋隆夫「赤の組曲」を久々に読む

1966年初出の作品。昔火曜サスペンス劇場でドラマ化されてたような。北大路欣也さんが千草検事だったと思うけど。2005年にフジテレビでも西村雅彦さん主演でドラマ化。あらすじある日、千草検事は旧友の訪問を受ける。その男・坂口は大学時代ライバル校弓道部のキャプテンだった。話を聞くと妻が失踪したので所轄の署長を紹介してくれという。昨年、ひき逃げによって一人息子を失った坂口に同情する千草。彼を励まし紹介を
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伝説の名作・笹沢左保「死人狩り」を読む

1965年出版の作品。もともとは前年「平凡パンチ」に連載されていたもの。同年と1978年にドラマ化されている。特に1978年版は主人公の刑事に萩原健一、宇津宮雅代、中村嘉葎雄、山崎努など豪華な布陣。監督は工藤栄一、田中徳三。主題歌は柳ジョージ&レイニーウッド「雨に泣いてる weepinng In the Rain」。あらすじ伊豆海岸を走るバスに突然撃ち込まれる一発の凶弾。バスは乗客27人もろとも崖
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長編企業小説・清水一行「系列」を読む

1992年出版の作品。1993年にNHKで連ドラ化され、翌年には続編が制作された。あらすじ1987年春――。自動車用照明機器メーカー・大成照明器のオーナー社長浜岡茂哉は海外事業部長の長男・祥吾とともに日本を代表する自動車メーカーである東京自動車の二宮副社長に呼びつけられた。一方的に社長交代を宣告され、経営権を奪い完全な管理下に置こうというのだ。いかに系列会社であるとはいえ、大成照明器は独立した企業
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傑作社会派警察小説・相場英雄「震える牛」を読む

2012年出版の作品。BSE問題、食品偽装を扱った警察小説。2013年にWOWOWで連続テレビドラマ化。あらすじ身体を壊し警視庁捜査一課継続捜査班に所属する田川信一警部補。ある日、発生から2年が経ち未解決になっている事件の捜査を命じられる。「中野駅前居酒屋強盗殺人事件」がそれだ。2人の男が殺害された事件だが、当時の捜査本部は2人に面識がなかったことから犯人を金目当ての不良外国人に絞って捜査していた
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乱歩賞作家・日下圭介「バラの中の死」を読む

2015年出版の傑作短編集。「砕けて殺意」「流れ藻」「突然のヒマワリ」「バラの中の死」「暗い光」「木の上の眼鏡」「木に登る犬」「鶯を呼ぶ少年」の8編を収録。もう抜群にうまい。乱歩賞受賞作の「蝶たちは今…」はだいぶ前に読んだけど正直そんなにいいとは思わなかった。しかしこの短編集は素晴らしい。1982年に日本推理作家協会賞を受賞した「木に登る犬」「鶯を呼ぶ少年」はもちろん、「砕けて殺意」「流れ藻」がう
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