鬼貫警部シリーズ・鮎川哲也「死びとの座」を久々に読む

1983年発表の鬼貫警部もの。1993年火曜サスペンス劇場で映像化。大地康雄主演で人気を博したシリーズ第1弾だった。あらすじ公園で発見された射殺死体。男がかけていたベンチは「死びとの座」と呼ばれていた。殺されたのは芸能人のミッキー中野。ジャッキー上野のものまねで有名になっていた。捜査陣は次々に出現する容疑者に困惑しかない。ルポライターからスチュワーデス、同業者など。北へ西へ向かう捜査陣。アリバイを
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追悼・和久峻三「仮面法廷」第18回江戸川乱歩賞受賞作を久々に読む

1972年第18回江戸川乱歩賞受賞作。先日お亡くなりになった和久峻三のデビュー作。新たな弁護士作家の登場は話題となり、ドラマで好評を博した「赤かぶ検事」シリーズや「京都殺人案内」など多くの人気シリーズを発表した。あらすじ元大手不動産会社の営業課長だった玉木。出入り業者の黒川に誘われ、新会社を設立。さっそく時価10億円の契約を成立させるが、これが書類から何から何まで偽造だったことが判明。地面師の巧妙
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第28回江戸川乱歩賞受賞作・岡嶋二人「焦茶色のパステル」を久々に読む

1982年第28回江戸川乱歩賞受賞作。1985年に土曜ワイド劇場で映像化。競馬ミステリ―を本格的に世に送りだした作品として知られる。あらすじ東北の牧場で発生した謎の連続殺人事件。被害者は牧場長と競馬評論家。それとともにサラブレッドの母子、モンパレットとパステルまで狙撃され死亡。さらに前の週には競馬評論家と密談していた獣医学の講師まで殺害されていたことが発覚。競馬評論家と離婚するはずだった香苗と友人
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第49回江戸川乱歩賞受賞作「翳りゆく夏」を久々に読む

2003年出版の第49回江戸川乱歩賞受賞作。2015年にWOWOWで渡部篤郎主演で連ドラ化された。あらすじ二年前のある出来事で社会部を追われ窓際社員となった梶。その梶が、再び浮上のきっかけをつかめるかもしれない事態が。週刊誌がスクープした「誘拐犯の娘が新聞記者に内定」。そんなことがあるわけがないと、社名を受けて梶は20年前の新生児誘拐事件の再捜査を開始する。退職刑事の捜査ノートを基に孤独な調査に乗
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第15回日本ミステリー文学大賞新人賞「クリーピー」を読む

2011年第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。著者の前川裕さんは教授なんだねえ。2016年に黒沢清監督、西島秀俊主演で映画化された。あらすじ大学で犯罪心理学を教えている高倉。ある日、同級生の刑事・野上からある事件の分析を依頼される。それを境に妻と二人、平和に暮らしていたのが一変。野上が謎の失踪、学生同士のストーカー事件、向かいの家が出火し、二人しかいないはずの家から3つの焼死体。カギを握る
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第9回横溝正史ミステリ大賞佳作・姉小路祐「真実の合奏」を久々に読む

1988年応募の著者のデビュー作。ストレートな社会派法廷ミステリが清々しい。火曜サスペンス劇場「朝日岳之助シリーズ」の原作。小林桂樹主演で人気を博した。あらすじ警備員が刺殺され金庫が破られた。大阪で起きたこの事件で逮捕されたのは前科のある塩川という男。塩川は無罪を主張していたが、執拗な取り調べの末に自白。有罪は確実かと思われたが、塩川の妹が弁護士を連れてきた。その男の名は朝日岳之助。過去に冤罪で友
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直木賞受賞作・大沢在昌「新宿鮫Ⅳ 無間人形」を読む

1994年出版の新宿鮫シリーズ第4弾。第110回直木賞受賞作。映像化もされている。あらすじ若者たちの間で流行っている「アイスキャンディ」。その正体は覚せい剤だった。密売ルートを追う鮫島だが、これまでの傾向と違うことに気付く。麻薬取締官の塔下と時には敵対しながら捜査を進めていく。やがて地方財閥の関りとある組のつながりを掴む鮫島。それぞれの野望を胸に突き進む面々を相手に、過去の事件も重なってついに鮫島
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時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(5)夜泣石は霧に濡れた」を読む

木枯し紋次郎シリーズの第5弾。表題作のほか、「馬子唄に命を託した」「海鳴りに運命を聞いた」「駈入寺に道は果てた」「明鴉に死地を射た」の計5編を収録。「夜泣石は霧に濡れた」は紋次郎とこんにゃくの秘話。間引きにこんにゃくで口をふさぐというのはこの時代普通にあったのだ。現代の児童虐待どころの騒ぎではない。ま、そうしなきゃ食えなかったわけだが。それを知る幼馴染との対決もあり、読みどころの多いエピソード。テ
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時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(4)無縁仏に明日をみた」を読む

木枯し紋次郎の光文社時代小説文庫第4弾。「無縁仏に明日をみた」「暁の追分に立つ」「女郎蜘蛛が泥に這う」「水車は夕映えに軋んだ」「獣道に涙を捨てた」の計5編を収録。「無縁仏に明日をみた」は紋次郎が子供に刺されてしまう珍しい話。どうにか窮地を脱して一人歩くラストの描写が素晴らしい。テレビシリーズ第17話の原作。ゲストは野川由美子、稲葉義男など。「暁の追分に立つ」は紋次郎らしさ全開話。明日のない身の生き
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時代小説・笹沢左保「木枯し紋次郎(3)六地蔵の影を斬る」を読む

木枯し紋次郎の光文社時代小説文庫第3弾。「六地蔵の影を斬る」「噂の木枯し紋次郎」「木枯しの音に消えた」「雪燈籠に血が燃えた」の計4編を収録。紋次郎のトレードマークの一つである左頬の傷跡と楊枝を加えている由来が語られる「木枯しの音に消えた」が個人的にはベスト5に入る。まだ紋次郎が二十歳前の頃、斬り合って手傷を負い花田源左衛門という浪人の小屋に逃げ込みしばらく厄介になった。左頬の傷跡はその時源左衛門が
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