1985年発表の作品。
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あらすじ
博多発東京行きの新幹線の中で不動産ブローカーが刺殺された。
被害者と交際していた博多のホステスが容疑者として浮かぶ。
しかし、事件当日彼女は死体の発見された新幹線より
44分遅れの新幹線で東京へ向かっていた――。
この鉄壁のアリバイに那須警部ら捜査陣は挑むが
今度はそのホステスが絞殺死体となって発見される。
果たして事件の背後には何があるのか?――という話。
感想
ある意味時刻表トリックの本格もの。
しかし、そのヒントは容疑者の家族が思いつく展開。
なんちゅうか他の那須警部ものより捜査陣の印象が薄い。
なんでこうなるかといえば謎の殺人事件と合わせて
誘拐事件、家族の話が出てくるから読んでて盛り上がりにくい。
やっぱりこう、本格ものというのは事件を捜査していて
一つ謎を解いたら新たな壁が立ちはだかりという繰り返しが魅力だと思う。
そういう点でイマイチ感がぬぐえない。
まあ単身赴任を巡る家庭崩壊の話だとか
そういう社会的な部分は悪くはないが、32年前と現代とではちと違う。
企業を巡る社会性や価値観が当時と今とでは隔世の感がある。
ステップアップのためにいくつになっても転職することは珍しくないし
今や一つの企業で定年までい続けてどうこうというのは公務員関係ぐらいでは。
それも人それぞれでまた違うのかもしれんが、多様化していることは確か。
そういう部分の話より那須警部たちの活躍をメインにしてほしかったなあ。