1980年出版の作品。
翌年に日本推理作家協会賞を受賞。
1981年と2013年に土曜ワイド劇場、
2001年に月曜ミステリ―でテレビドラマ化されている人気の作品。
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あらすじ
上野駅構内のトイレで通産省の役人、安田が他殺死体で発見された。
彼は青森県のF高校で校内新聞を出していた男女7人の仲間で、
7年ぶりに一緒に故郷の青森に行こうと上野駅に来て殺されたのだ。
残りの6人は安田の死を知らず予定通り上野駅発の寝台特急
「ゆうづる7号」に乗り込むが、深夜に運送店社長の川島が姿を消す。
そして鬼怒川で水死体となって発見される。
川島が安田殺しの犯人と見られ、事件は簡単に解決するかと思われたが
男女7人の同級生はその後も次々と殺されていく。
果たして連続殺人の真犯人はいったい誰なのか?--という話。
感想
亀井刑事大活躍編ともいえる一冊。殺される人間が亀井と同じ青森出身という設定もマル。
亀井は事件を追う一方で、高校時代の友人の教師・森下から
自分の教え子で上京後消息不明になっている紀子を探す。
原作では一見関係なさそうに見える紀子の存在があとあと重要になるのだが、
1981年版では森下と紀子の存在は一切無視。登場しない。
それが観る者にとっては事件に集中でき、見どころのある名作となっている。
配役を1981→2001→2013で見ると
十津川警部=三橋達也・渡瀬恒彦・高橋英樹
亀井刑事=愛川欽也・伊東四朗・高田純次
7人組は
宮本 孝=中島久之・河相我聞・石垣佑磨
安田 章=村上正次・細川智三・篠田光亮
川島史郎=穂積ペペ・安村和之・土屋裕一
片岡清之=火野正平・野村祐人・一條 俊
村上陽子=風吹ジュン・平岡千佳・三津谷葉子
橋口まゆみ=伊藤咲子・山口リエ・小野真弓
町田隆夫=風間杜夫・赤坂 晃・黄川田将也
それぞれ原作と異なるところはちょこちょこある。
しかしなんだかんだいっても原作の雰囲気に一番忠実なのは1981年版。
配役も抜群だし、それぞれの屈折感、地方出身、昭和の匂いが感じられる。
やはりミステリーというのはその時代ならではのものが色濃く出るので
安易に設定を変えたり、無理やり現代に当てはめるのはあまりよくないと思う。
原作・1981年版ドラマともに最後まで犯人がわからず、
わくわくして読んだり観てたりしていた思い出の作品。