名作冒険小説・西村寿行「君よ憤怒の河を渉れ」を久々に読む

1975年発表の著者の記念碑的出世作。
高倉健主演で映画化され、「追捕」のタイトルで中国でも公開。
大ヒットとなった。
2018年公開の映画「マンハント」の原作でもある。

あらすじ

東京地検のエリート検事である杜岡。
しかし、強盗強姦の嫌疑をかけられ逃亡する羽目に。
しかも、被害を訴えた女性、目撃者ともに殺害され
その容疑者としても追われることになる。

人の目を逃れ北海道に潜伏する杜岡。
ヒグマに襲われた若い女性、真由美を助け
彼女の父親の協力によりセスナ機で北海道から脱出。
東京に舞い戻った杜岡は自分を陥れた連中の
真相を手繰ろうとするが、様々な妨害が彼を襲う。
逮捕寸前となったその時、真由美のとった行動が彼を救う。
果たして杜岡は自分の無実を証明することができるのか?--という話。


感想

安楽死」「屍海峡」など初期の社会派作品から
路線転換したエポックメイキング的作品。
なんやかんやで抜群に面白い。
ご都合主義ということなかれ。
エンターテインメントとはこういうものだ。

新宿の街をサラブレッドが走る――というのは
ハイライトシーンの一つだが映画でも忠実に描かれている。
映画で杜岡を演じたのは高倉健。
一匹狼の刑事・矢村は原田芳雄。
ヒロイン・真由美は中野良子だった。

映画は最後の方以外は割と原作に忠実。
違うのは杜岡と真由美の関係が
プラトニック・ラブか否かということか。
最後のほうは映画のほうがすっきりしていいわいな。
ま、比べてみるのも一興か。

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