西村京太郎90「寝台急行『銀河』殺人事件」を読む

1985年の作品。「オール読物」1月号に掲載。
1986年に土曜ワイド劇場、1999年に月曜ドラマスペシャルでテレビドラマ化。

あらすじ

寝台急行「銀河」A寝台の中でOLが殺された。
容疑者となったのは同じ職場の上司である井崎。
A寝台に乗っていた乗客の中で動機があるのは井崎だけ。

協力要請を受けた十津川は井崎が大学時代の同窓であることを思い出す。

調べたところ、状況は井崎にとって不利なことばかり。
井崎の妻にも久々に会うが冷めた関係がわかる。

しかし、意外なことに真犯人でしか知らない内容の
書かれた手紙が大阪府警に届き井崎は釈放される。

ホッとする十津川だが、A寝台に乗っていた
別の乗客が殺されまたまた井崎に嫌疑が。
さらにA寝台に乗っていた乗客が次々と殺される。

そのうちの一人がエリート官僚と付き合っていたことから
事件は意外な展開を見せ始める。

犯人の目的は何か?
そして井崎は犯人なのか?
奔走する十津川が見出した真実とは?――という話。


感想

2度映像化されている人気作品。
容疑者が留置されていたら困るとばかりに
真犯人がわざわざ投書をしてくるところがミソ。

そして釈放された後もひたすら容疑者にされる。
そりゃ自殺したくもなりますわな。

犯行の動機というか考え方は
クリスティの「ABC殺人事件」かなモチーフは。

土曜ワイド劇場版ではゲストが加賀まりこ、山形勲、
中野誠也、小手川伸子、山本みどり。
原作と比較すると加賀まりこ扮するエリート官僚の
妻役がフィーチャーされている。

月曜ドラマスペシャル版では池上季実子、大杉漣、
細川ふみえ、子役時代の三浦春馬。
結構三浦春馬が事件解決の手掛かりとなる。

池上季実子の三浦警部は原作では男。
原作ではそれほど親友でもなく単なる同窓生の井崎だが
井崎役の大杉漣の設定は十津川とボート部で
汗を流したメッチャ親友みたいになっている。

最後、井崎と妻がよりを戻すみたいな感じになってるが
これも原作では違うニュアンスになっている。

そんな違いを見比べる、読み比べるのもシリーズの魅力ですな。

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