西村京太郎360「東北新幹線『はやて』殺人事件」を読む

2004年初出の作品。
TBSでテレビドラマ化された際は
渡瀬恒彦・大原麗子もと夫婦の共演が話題を呼んだ。

あらすじ

東京の古いアパートで火災が発生。
放火と思われ一人の男が他殺体で発見される。
男の名前は奥田。

十津川警部達が捜査に当たると奥田は
青森に帰郷する日を楽しみにしていたことがわかる。
どういうわけか奥田の行きつけのスナックのママ、
明子が奥田の遺骨を抱え青森に行きたいという。
捜査が行き詰まっているのを打開するため
それを認める十津川。

明子が奥田が乗るはずだった新幹線「はやて」に
乗り込むと、なぜかその予約席には見知らぬ女が。
口論の末、仕方なく別の列車に乗り換えた明子だが
行く先々で奥田の名前を出すたび警戒され
ついには殴られケガを負ってしまう。
十津川は明子が自分達に何かを隠していると悟るが
無理に聞き出そうとはしなかった。

一方、別の日に新幹線「はやて」の車内で殺人事件が。
やり手の女弁護士が何者かに青酸カリを注射されたのだ。
弁護士は産廃に関する訴訟で青森に向かう途中だった。
十津川は一見全く違う事件が裏で繋がっていることを見抜く。
しかし、次の殺人が起こりついには明子までもが――。

事件の裏で蠢く国会議員を巻き込んだからくりとは?
そして、悲劇を生んだ闇の欲望と利権構造とは何か?
十津川警部の推理が光る――という話。


感想

テレビドラマ化された際には明子ではなく
志津江という名で大原麗子が出演。
また、設定も志津江の弟を過去に十津川が逮捕し
護送途中に逃亡を図り事故死。

ところがその後、弟は無実であることが判明し
志津江は十津川を憎んでいるという設定に変わっている。

こうなるとある意味余分な部分がクローズアップされすぎ
原作の持つ奥田と明子の愛の形みたいなところが
弱まるんじゃないかねえ。

ま、それはそれとして今日的な社会問題も取り入れ
いつもながら読ませてくれる。
悪徳政治家が語る「すべて、日本のためだ」
というのはなかなか気持ち悪い。

しかし「日本ではどこかに産廃処理場を作らなければいけない。
もし、それができなければ日本中がゴミで埋まってしまう」
なんてロジックはひっかかる人はひっかかる。

そもそもゴミなんて昔は山奥に平気でほってたけど。

10歳で目の前熊野古道なんていう田舎に
放り込まれた自分にとっては崖からゴミ捨てる場所があり
みんなそこにほってたのだ。

しかし、それで環境破壊があったかといえばそんな記憶は無い。

はたまた、昔は学校まで車で来るな、自転車通学しろと言われた。
それが今では学校がスクールバスでお迎えに来てくれる。
自転車で通った方が体力も精神力もつく、なんて
馬鹿なことを言った教師は謝罪しに来いてなもんだ。

もっともこっちは朝だけ自転車で坂道降りて行って
帰りは親父の軽トラに自転車積んで帰ってたのだ。

おかげで時間を無駄にせず読書やドラマに熱中して
それを活かしたもの書きになってる。

人の言うことホイホイ聞いとったらあかんのよ。
全く作品の話とは関係ないが(笑)

読んでるうちにそんな昔のことを思い出した。

記事作成・ライティングに関するお問い合わせ・ご相談

コピーライター育成オンラインアカデミー

最近の投稿

テーマ別

ページトップに戻る