1986年の駅シリーズ第3弾。
1994年に渡瀬恒彦主演でテレビドラマ化。
月ドラ第4弾だった。あんなに続くとはね。
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あらすじ
飲酒運転で老人をはね殺したという濡れ衣をきせられ
服役後に自分を陥れた後輩カメラマンを刺殺したカメラマン金井。
彼は追われながら故郷の函館へ向かう。
刑務所に入っていた時もただ一人自分を見捨てず
通い続けてくれた美人モデルのマリ子だけが彼の心の支え。
函館駅で彼女と待ち合わせた時、
謎の男の拳銃が火を噴き一人の男が倒れた――。
金井を追って函館に飛んだ十津川警部と亀井刑事。
覚せい剤密売事件の影もあり事件は意外な方向に向かう。
逃亡を続ける金井の前に謎の女が現れる。
果たして彼の運命は――という話。
感想
函館は通算2回行ってるのだが駅前はさておき少し離れたら
もうその寂れ具合たるや惨憺たるものだった。
舞台は1986年なので国鉄時代。
その頃はまだマシだったのかもしれないが
いずれにしろ地方の疲弊ぶりは想像以上である。
さて、本書はいつものように
十津川警部がメインというよりは逃亡者金井がメインといえる。
事件そのものはそう複雑ではなく
話の展開が読めるといえば読めるが
金井をメインに考えていくと割と感情移入でき
ラストはやるせない感じになる。
ドラマ化された際は謎の女、宏子に池上季実子が扮している。
しかも十津川の警察学校での教え子というおまけつき。
映像化する時もたまには原作に忠実に
犯人側を主人公にしてくれよなんて思う。
男ってバカだねえって話だが
女を信じられなくなったら男じゃねえなってのもまた確か。
そういう点では男の美学の物語。