西村京太郎107「寝台特急八分停車」を読む

1986年初出のトラベルミステリー。
1989年に土曜ワイド劇場で、2004年にテレビ東京でテレビドラマ化されている。

あらすじ

腎臓結石の痛みに耐えかねて緊急入院した亀井刑事。
捜査本部に戻ろうと忍び足で病院を歩いているとレントゲン室から男女の話し声が。

なんとその内容は「今度の日曜日、ブルトレが八分間停まった時に人を殺す」というものだった。

相談を受けた十津川警部は八分間の停車時間がある寝台列車を調べる。

その数6本。
さらに京都駅に八分停車する「出雲3号」に的を絞る。

いつ痛みが来るかわからない腎臓結石に不安を感じながら「出雲3号」に乗り込む亀井刑事。

列車が京都駅に停まった時、腹を刺された男が助けを求めて降りてきた。

その頃、東京では新たな事件が。そして起こる連続殺人。果たして犯人の狙いは?――という話。

 

感想

通常、トラベルミステリーまたは時刻表トリックと言えば列車内で起きる殺人事件を想像するが
それを見事に逆手に取った八分停車を利用した鉄壁のアリバイづくりが本書の見所。

それだけに犯人との心理戦が重要になってくるわけだが、ドタバタしつつも許容範囲といったとこか。

土曜ワイド劇場での映像化はゲストが酒井和歌子。
テレ東は十津川警部が神田正輝、亀井刑事が小林稔侍バージョン。

ここでも山村紅葉は出てる。
今やバラエティでまくり坂上忍も出てるし、尾形大作、藤真利子、三浦浩一。

いったん推理した仮説を
いや待てよ、こういうこともあるなと考え直すとこなどはなかなか面白い。

思うにそういう細やかさがだんだん冊数が増えてくると薄れていってんじゃないかねえ。

絶頂期とは言わんが、爆発的に売れてる時代の貴重な作品。


追記

土曜ワイド劇場版を観た。
一言でいえばストーカー愛川亀井の本領発揮(笑)
捜査でもないのに酒井和歌子の女医につきまとう。
さらにはメシをおごるなんて言ってないのにごちそうさまって。
公僕失格だろ。

紅葉は紅葉で三橋十津川にタメ口で話すし。
「そうかもね」ってアンタ、相手は上司でっせ(笑)

だいたい肝心の八分停車のところが聞き取りにくいというか分かりにくい。
これだと原作の方がはるかにいいわなあ。

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