西村京太郎138「祝日に殺人の列車が走る」を読む

1987年初出の作品。映像化はまだなし。
トラベルミステリーらしい時刻表トリックあり、
容疑者は早くから絞られるもののどちらが犯人か全く読めない展開が魅力。

追記
2017年に沢口靖子主演の鉄道捜査官シリーズ17としてドラマ化。

あらすじ

ラジオ深夜放送のリクエストを使い十津川警部に挑戦状が届く。
内容はゴールデンウィークに走る電車内での殺人予告。

警戒をするも最終日に特急「有明」の車内で殺人が。

被害者は資産家で、2人の息子と5人の愛人がいた。
遺言状があるものの骨肉の遺産争いかと思われた矢先、
次々と連続殺人が起きていく――という話。


感想

アリバイと動機の謎が楽しめる作品。

遺産相続は社会的な関心事だが、こうした資産家になると
いろいろな利害関係がからみ動機をもつものも多くなる。

設定が謎の興味を更に深くさせている。

祝日に殺人というのも単に興味本位だけでなく
昭和から平成へと時代が移ろうとする中、
祝日がクローズアップされる傾向にあった。

昔は何でも暦通りだったからとびとび休日も珍しくなかった。
それをいろいろ名称つけて休日が増えていった。
そういう情勢の変化をさりげなく使っている所も
やっぱりうまいもんだと思う。

もっとも自営業を始めてからはあまり連休より
真ん中の水曜日あたりに時々休日をくれる方がよっぽどありがたいのだが。

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