岬シリーズ1・笹沢左保「他殺岬」を読む

笹沢左保といえば中村敦夫主演で
大ヒットした「木枯し紋次郎」が有名だが、
その他にもたくさんの作品を生み出している。

江戸川乱歩賞最終選考に残った「招かれざる客」でデビューし、
突然の明日」などムーディな感じの本格ミステリを次々と発表。
土曜ワイド劇場で映像化されたタクシードライバー夜明日出夫の生みの親でもある。

そういえば昔住宅地図の仕事をやっていた時に
どこだったか忘れたが「夜明」って表札見た覚えがある。
本当にある名前なんだなあと。
なんせたくさんの作品を発表しており、
作家活動42年で380作品。現代劇から時代小説まで幅広い。

その中で岬シリーズというのがあり、
第一作目となった1976年発表の「他殺岬」を読んだ。



あらすじと感想

内容は「人気美容師とその娘が立て続けに自殺。
二人の死を招いたのは主人公が書いた
人気美容師の過去を暴いた記事がきっかけだった。
やがて、主人公の息子が誘拐される。
犯人は美容師の娘の夫を名乗り、5日後の処刑を宣告する……」という話。

誘拐事件とタイムリミット・サスペンスの融合は目新しくはないが、
今読んでも新しい部分は主人公が子どもを取り戻すために、
娘の自殺は他殺だったことを証明しようとするとこである。
別にそんなこと言われてもないのにだ。

そうすることで犯人の心情を変えさせ、
子どもを取り戻そうというのは無理がありそうな
気がせんでもないがなるほどと思わんでもない。
そのあたりのさじ加減というかなんというか絶妙なのである。

初期の土曜ワイド劇場でドラマ化されているようで
出演は平幹二郎、丘みつ子、佐藤慶、佐野厚子、大坂志郎。
時代を感じますな。

温故知新というがさすが一時代を築いた作家から学ぶものは多い。

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