1972年第18回江戸川乱歩賞受賞作。
先日お亡くなりになった和久峻三のデビュー作。
新たな弁護士作家の登場は話題となり、
ドラマで好評を博した「赤かぶ検事」シリーズや
「京都殺人案内」など多くの人気シリーズを発表した。
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あらすじ
元大手不動産会社の営業課長だった玉木。
出入り業者の黒川に誘われ、新会社を設立。
さっそく時価10億円の契約を成立させるが、
これが書類から何から何まで偽造だったことが判明。
地面師の巧妙な手口にまんまと騙され窮地に陥る。
元妻を使用人にしているベテラン弁護士に依頼するが、
その弁護士が殺害される。
さらに元妻に殺人容疑がかかり逮捕される。
玉木は元妻の無実を信じるが、元妻は自供。
公判でも罪を認めるが、無罪を主張し始め事件は混沌とする。
二転三転の末、元妻は無罪となるが失踪。
そして黒川が殺害されてしまう。
果たして事件の真相とは――という話。
感想
確か土曜ワイド劇場で映像化されていたような。
受賞からだいぶ経ってからだけど。
玉木は露口茂さん。もう山さんではなかった頃か。
元妻が岡江久美子、黒川が名古屋章だったかな。
地面師の話なんて今の方がタイムリーかもね。
この話と元妻の裁判が同時並行していくので
面白いんだけどそのあたりが整理せなあかんというか。
法廷なら法廷、地面師の話なら地面師という方がええかも。
分散されちゃうからねえ。
1972年の話だが、興味深い箇所がある。
「最近の70歳は元気ですからねえ」
・・・そのうち100歳は元気ですねえとなるのだろうか。
著者のご冥福をお祈りいたします。