1965年出版の長編ハードボイルド。
真木シリーズの第1弾にあたる。
日本のハードボイルドの嚆矢とも言える作品。
1983年に火曜サスペンス劇場で山本陽子・髙橋悦史主演で映像化。
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あらすじ
元刑事で私立探偵の真木。
ある日、資産家の磯村から孫娘の捜索を依頼される。
劇団の研究生だった乃里子の行方を追う真木の前に、
次々と新しい事実が明らかにされ、そして殺人が――という話。
感想
読み返すたびに面白くなる味のある作品。
最初読んだのはずいぶん前だが、その時は正直つまらないと思った。
それは特にどんでん返しがあるわけではなく
どちらかといえばインパクトの薄さにそう感じたのだと思う。
じかし自分がハードボイルド形式で書こうと参考に読んだら
これがいろいろと含蓄のある話なんだなこれが。
このあたりが読み手として読むか、書き手として読むかの違いなのかも。
簡潔で乾いた文体がハードボイルドと呼ばれるものだが
甘い感傷もないその感じが静かに家庭の悲劇を浮き彫りにさせる。
結構書くの難しいのよね、こういうの。簡単そうに見えて。