戦慄のバイオレンス・西村寿行「ガラスの壁」を読む

1985年出版の衝撃問題作。

あらすじ

渋谷区のある住宅街で異変が起きた。
「鷲」と名乗る謎の男が次々と人妻を篭絡し、
コードネームと快楽の記憶だけを与え奴隷にしていったのだ。

同じ頃、超能力者・ガッドを教祖に戴く
新興宗教団体・神の叡智協会もまた同様の実験に乗り出していた。

「鷲」たちと教団の熾烈な戦いに隠されたものとは?
恐るべき国際謀略の秘密が今暴かれる――という話。


感想

いやはやこれまた凄い展開。
どっからこういう話思いつくのやら。
しかしまあ、こんな国際謀略あったら凄いねえ。

なんたって○○を○○して、〇〇しようってんだから。
(なんのこっちゃらわからんな、これじゃ)

モデルとかあんのかねえ。
しかし、相変わらずの凌辱シーンのオンパレード。

ま、本当に書きたい部分はそういうとこではなく
ところどころ出てくる文明論だったり宗教論だったり
はたまた「支配するものとされるものに国民は
分類されたがっている」とかそういう箇所なんでしょうな。

やっぱりこう、「男は男にこだわっていけよ」って感じの
血沸き肉躍ると言いますか、狂おしく燃える本能と言いますか、
著者の作品から受ける刺激は大きいですな。

荒っぽい描写の中に人間の尊厳だったり
優しさがあるところが魅力的。

しかしこれ、現代の読者はどんな風に読むんだろうねえ……

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