1977年発表の冒険小説。
第77回直木賞の候補作にもなった伝説の冒険小説。
Auto Amazon Links: プロダクトが見つかりません。
あらすじ
アパルトヘイトの南アフリカ、ゲリラ戦が続くモザンビーク。
そんな国政情勢の中、巻き込まれる日本の貨物船白雲丸。
南アフリカ航路を就航中の白雲丸の中でうごめく謀略の正体は?
一等航海士稲村が手引きした密航者の混血美女リン、
積荷の木箱の中身、かつての英雄の存在、
冷酷無比な南アフリカの男たち――。
それぞれの思いを抱えながら船旅は続き、そして――という話。
感想
面白い。同時刊行の「マラッカ海峡」より数段いい。
冒険小説というか活劇小説というか。
船の中のディティールはさすが実際船乗りだった著者ならでは。
真ん中ちょっとダルい気もするが、
後半からクライマックス、ラストにかけてはぐいぐい来る。
かっこいいぜ、おいおいという展開が目白押し。
ヒーローは潔く、ヒロインは華麗にというのは
古今東西問わず永遠のキャラクターだと思うのだが
そのせいもあって読後感のよさ、爽やかさが半端ない。
半端ないのは何もサッカーだけではないのだ。
「いつか、君が無事だったら、
喜望峰の断崖から花を投げてくれ。俺の墓場にね」
いやー、痺れる。これぞ男の美学。こういうの書いてみたい。
刺激になった一冊。