西村京太郎14「殺意の設計」を読む

1972年出版の作品。主人公は矢部警部補。
後に左文字進シリーズで出てくる矢部警部と同一人物かどうかは定かでない。
1986年に土曜ワイド劇場で「人妻の背徳日記殺人事件」のタイトルでドラマ化。
出演は石立鉄男、佳那晃子、村井国夫、平淑恵、小林昭二、池波志乃など。



あらすじ

新進画家の田島とその妻・麻里子。
2人は幸せな結婚生活を過ごしていたが
ある日、田島の不倫を暴露した手紙が麻里子のもとに。

半信半疑だった麻里子だが田島の浮気現場を目撃。
離婚を決意した麻里子は男友達の井関に相談。

田島を含めた奇妙な三者会談が始まる中、
麻里子と田島が青酸カリを飲んで死亡してしまう。

無理心中か、他殺か?

捜査にあたった矢部警部補は一度は無理心中の
結論を下すものの、それに異を唱える人物が現れ――という話。


感想

初期の心理サスペンス作品。
1971年「ある朝 海に」を皮切りに
汚染海域」「殺しの双曲線」など
様々なジャンルの作品を6冊生んだ後の一発目。

結局1972年はこの後「ハイビスカス殺人事件
名探偵が多すぎる」「伊豆七島殺人事件」の計4冊を送り出す。

犯人は前半のうちにまあわかるのだが
その動機や心理トリックを丹念に追いかけていくとこが魅力。

この丹念さが最近の作品には薄いかも。

犯人の犯行を否定するあるものが
犯行を示すことになってしまう展開は見事。

著者この時42歳。
頑張らなあかんなあ、オレ。

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