伝説のデビュー作・赤川次郎「幽霊列車」を久々に読む

1978年出版の短編集。
第15回オール読物推理小説新人賞受賞の表題作のほか、
「裏切られた誘拐」「凍りついた太陽」「ところにより、雨」
「善人村の村祭」の計5編を収録。

「幽霊列車」は山間の温泉町に向かう列車から
8人もの乗客が突然蒸発してしまう。

この難事件を中年警部・宇野と推理マニアの女子大生・夕子が
ドタバタしながら解決していく話。

初期の土曜ワイド劇場で岡本喜八監督で映像化。
もはや伝説のドラマと化している。

宇野警部を演じたのは田中邦衛、夕子が浅茅陽子。
シリーズは好評を博し、その後次々と映像化。
夕子役は変わっていったけど。藤谷美和子とかやってた記憶が。

その他4作品とも宇野と夕子のコンビが事件を解決していく。
シリーズの中でもこの一冊目が一番いいような。

ユーモアミステリでありながら本格的要素もあり、
20歳ぐらい離れている宇野と夕子の恋愛模様ありと
やはりこの設定はとてもうまい。

他の作品がどうだったかは長いこと読んでないから覚えてないが
この本に関しては作品すべて「私」つまり一人称で書かれている。
宇野警部の視点から。

それぞれの短編が独特の味があるが、「善人村の村祭」が印象深い。
売れる作家ってみんな初期にこういうタイプの作品書くんかね。

どっかけったいな田舎の風習とか舞台にしたやつね。
久しぶりに読んでもその読みやすさ、わかりやすさ。
そうした技術の高さに感心するとともに、
負けないようにせんとねえと初心を思い出す一冊。

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