伝説のデビュー作・大藪春彦「野獣死すべし」を久々に読む

1958年出版のデビュー作。
いまだに色あせることのない鮮烈な内容。
映画になること3回、復讐編を入れれば5回の名作。

あらすじ

敗戦の混乱の中引き上げてきた人々。
ハルピン生まれの伊達邦彦もその一人だった。
彼は様々な経験をし、ストイックにとことん目的達成のためには
手段を択ばないニヒリズムなどを成長するにつれ身に着けていった。

そして彼が計画したのは美しいまでの完全犯罪。
狙う獲物は巨額の大学入学金。
冷ややかに冴えた目と不敵な微笑みを浮かべた彼の行く末は――という話。


感想

ハードボイルドの名作として名高い作品。
その後の通俗的なものとは一線を画しているのは
作者の実体験がそこかしこに織り込まれている部分が大きい。

映画化された中で有名なのは松田優作の映画版だろう。
ま、しかしあれは原作とはだいぶ離れているので別物といえる。
リップバーンウィンクルの会話のところは結構好きだけど。
あんまり狂気の部分を強調しすぎるとずれるのかもしれんねえ。
映画に関しては「蘇える金狼」の方が好きかな。

伊達邦彦を主人公にしたシリーズはその後も続くが
この一発目をしのぐことはついになかった。
復讐編なんかは嫌いではないが、やっぱり最初のインパクトには勝てない。

なんでかというとやっぱり書きたいことを書いてるというエネルギーが凄い。

計算で書かれていない。
そこはものすごく参考になるし、学べる部分。

最初に読んだのは高校の授業中だったけど
久しぶりに読んでもそこは感銘を受ける。
バイブルともいえる一冊。GWならではやね。

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