1978年出版の作品。
当時ベストセラーになり、1981年に三浦友和主演で映画化。
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あらすじ
トッププロテニスプレイヤーの三村浩司。
友人の中田が新しくテニスコートを手掛けたお祝いで長崎に来ていた。
そこで出会った女と懇ろになり、快楽の時間を過ごすのだが――。
彼を待っていたのは女との様子を盗撮した写真、
3000万円の示談要求だった。
仕方なく100万でかたをつけようと思い、
受け取りに来た男をボコボコにするが週刊誌に強姦魔と書かれてしまう。
選手生命を絶たれた三村は、仲間と共に復讐に挑む――という話。
感想
なかなか評価の難しい小説。
復讐の美学というにはカタルシスがないというか。
これが大藪春彦に出てくる人物なら「いったれ」と共感するのだが
三村の行動については「ちょっとそれでええんか、おいおい」みたいな
ブレーキがかかってくる気がする。
仲間が基本みんなホイホイ協力してくれるのもどうだろう。
特に最初の方で出てきて身から出た錆とはいえボコられる
若い男女が協力するか? という違和感はないではない。
のれるようでどこかのれないもどかしさ。
このあたりがすっきりしてるのは大藪春彦、西村寿行。
似たような展開でもこんだけ感じ方が違うもんなのねえ。
そういう点で小説の難しさをあらためて理解させてくれた作品。
映画、観たことないから観たいなあ。
設定は少し変更があるみたいで妹とか出てたりする。
三浦友和はさておき、風吹ジュン、石橋蓮司、
中尾彬、峰岸徹、成田三樹夫、安岡力也、宮内洋。
吉行和子、池波志乃、水原ゆう紀。
監督は村川透、撮影は仙元誠三、脚本は永原秀一。
いや、このメンバーならぜひ観てみたい。