1990年出版の作品。
1995年に土曜ワイド劇場でドラマ化。
高島忠夫が十津川警部という珍しい回。
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あらすじ
十津川警部の元部下で私立探偵の橋本。
彼には刑務所に入ってた暗い過去があるのだが
それを週刊誌で暴露され仕事は激減。
困っているところに失踪人捜査の依頼が。
2人組の男女が会社の金を持ち逃げしたというのだ。
2人の足取りを追って九州へ向かう橋本だが
飛行機に乗る際に亀井刑事と西本刑事と出会う。
熊本で起きた殺人事件が東京の人間だということで
十津川警部が担当しているというのだ。
橋本は金を持ち逃げしたとみられる2人を追うが
2人は死体となって発見され橋本は殺人容疑で逮捕される。
橋本に依頼した女社長を怪しむ十津川警部はある事実を掴むが――。
起訴され裁判が開始される中、元部下である橋本の
無実を証明するべく奔走する十津川警部の推理が光る――という話。
感想
典型的な巻き込まれ型サスペンス。
しかし元刑事で私立探偵やってるくせに罠が見抜けんのか(笑)
時々アンタは刑事辞めて正解やでとか思ってしまう。
それはさておき本作の特徴は元部下の無実を信じて
ひたすら突き進む十津川警部の行動にある。
裁判が始まろうが何しようが関係ない。
真犯人を割り出せば橋本は助かるのだ、とばかりに沖縄へ。
意外とこれ一番大事なことで、
冤罪で逮捕された人を救うには裁判で勝利することではなく
真犯人を見つけることなのである。
もっともそれができるのは逮捕権がある人間でないと難しいのだが。
そうはいってもそこの部分放棄している場合が実に多い。
以前そういった事件を専門にしている団体の幹部に
「真犯人を見つけることはしないのか」と問うたところ
「それは警察の仕事だから」と言われてしまった。
そんなこと言ってたら助かる人間も助からんど。
案の定その無罪を訴えていた人は医療刑務所で亡くなった。
冤罪を救うというのは実に難しい。
映像化作品のゲスト出演は根本りつ子、松村雄基など。
荻島真一の橋本というのはどうもなあって感じがする。