1986年出版の作品。
2002年にTBSで映像化。
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あらすじ
和歌山駅前のホテルで弁護士が殺害された。
続いて串本の海中展望塔で仲間の会社社長が殺される。
県警の要請を受け十津川警部たちが調べたところ、
2人はゴルフ会員権詐欺で儲けた悪仲間だったことが判明。
亀井刑事が詐欺集団の黒幕とみられる佐伯に聞き込みに行くが
にべもない反応で追い返される。
すると行方不明中だったもう一人の仲間が
伊勢線の無人駅で死体となって発見される。
捜査線上に畑山という詐欺被害で両親を失った青年が浮上。
しかし、彼には鉄壁のアリバイがあった。
弁護士が殺害されたと思われる時刻、電車に乗っていたのだ。
犯人は誰なのか? 十津川警部の推理が冴える――という話。
感想
アリバイトリックというか時刻表トリックの話。
出だしから中盤までは面白い。
なんでこの無人駅が殺人事件の舞台に選ばれたのか?
興味津々で読みすすめていくうちにここの理由が今一つ。
ミステリにはフーダニット、誰が殺したのかという部分と
ハウダニット、どうやって殺したのか、殺せたのかというのが面白さとしてある。
そういう点で3つ目のがちょっとなあと。
黒幕の佐伯の人間像がなかなか。
いるよねえ、こんなやつ。すべては金次第という。
ま、それはそれでなかなか説得力もあったりするんだけど。
映像化作品は微妙にちょこちょこ違う。
まず詐欺事件を追いかけていた工場経営者が殺害される。
で、刑事たちは詐欺集団をマークする。
詐欺集団の仕事が異なってたり、1人は女性に変更している。
安藤は和歌山駅前のホテルでなく白浜で殺害されたり。
畑山の職業も原作はS電機の開発部だが工場の従業員。
経営者の娘と交際していたというベタな設定になってる。
出演はおなじみ渡瀬十津川、伊東亀井の他、金子賢、一色紗英など。