1979年出版の作品。
人気絶頂の時代の一作。
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あらすじ
村で崇められてきた地蔵菩薩が盗まれた。
探索に出た武平は修羅の峠に刻まれた十王像にまつわる
奇妙な話を知るが、その謎を突き止めることもなく惨殺される。
しかも死体が発見された場所はその十王像の前だった。
謎を追う武平の娘・津恵と県警捜査員の五堂。
2人は危険な目に遭いながら戦争が生んだ狂気の流れを
現代まで受け継ぐ権力の亡者を追い詰めていく――。
大正時代に石工が刻んだ十王像の謎とは何か?--という話。
感想
不思議な味わいの小説。
宗教ぽいといえば宗教ぽい。
ここでいう宗教ぽいというのは、何か特定の宗教を描くわけではなく
なんちゅうか自らの宗教観を問う感じというか、
その延長線上に地蔵菩薩の話があるというか。
出だしの感じからはとても思えない話の広がり方がすごい。
そんなとこ行くの?って感じ。
次期首相候補が祖父の悪事を暴かれるのを恐れたのが
奇妙な事件の発端だったわけだが
十王石像を彫った石工が後の人にそれを伝えようとして
メッセージをどこにどう隠したかというのがポイントとなってくる。
日本にはまだまだいろんな風習も残ってるし
いろんな石像だのなんだのようけあるし
実はこんなメッセージが隠されているなんてこともあるかも。
こういった話の作り方もありかな。