1978年の書きおろし作。
「他殺岬」に続く岬シリーズ第2弾。
2000年に取調室シリーズ12の原作として映像化。
ゲストは千堂あきほだった。
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あらすじ
金融会社の女社長が刺殺死体で発見される。
だが、凶器は見当たらない。
捜査が壁にぶち当たる中、警察はアル中の老人を犯人と断定。
しかしその老人は自殺と思われる状況で発見される。
事件は終わったと思われたが、向坊警部補だけが女社長の秘書に目をつける。
ところが彼には完璧なアリバイがあり、しかもその証人は向坊の妻。
妻はかつての彼の愛人だった。
向坊は部下の西郷刑事とともに地道な捜査を積み重ねていく。
秘書と妻がかつての愛を取り戻そうとする中、向坊がつかんだ真実とは――。
感想
驚天動地のアリバイ崩し。そんな方法があるのかと感心。
要するにXと思われたものがYで、Yと思われたものがXなら成立する。
これだけだと何のこっちゃわからんだろうが、まあそういうことだ。
ラストはザ・メロドラマすぎるというか、
はたまた2時間サスペンスすぎるというか。
いかりや長介主演の火サス・取調室シリーズ12の原作だけど
取調室だしなあ。表出てやってくれんと様にならんような。
できればそのまんま映像化してほしい。
しかしまあ真実への過程というか裏に隠されているものはなかなか凄い。
うまいことできてるなあとも思う。
向坊警部補と西郷刑事の関係もお約束と言えばそうなのだけど面白い。
「ムードとロマンの融合」と呼ばれた著者の世界を堪能できる一冊。