1971年公開の松竹映画。1982年にTBS、2001年に火サスでテレビドラマ化。全3作ともDVDになっている珍しい作品でもある。あらすじ西田美奈子(岩下志麻)は愛媛の松山にある老舗呉服店の当主、慶太郎(三國連太郎)の妻。美奈子は3カ月に1回、東京に向かう。表向きは反物の買い付けだが、本当の目的は大学助教授の江村(中尾彬)と会うためだ。5年前、美奈子は江村の兄・寿夫の妻だった。しかし、寿夫は水商売
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1960年公開の東宝映画。原作は松本清張の短編「証言」。監督は堀川弘通、脚本は橋本忍。出演は小林桂樹、原知佐子、西村晃など。あらすじと感想真面目で平凡なサラリーマンが似合う小林桂樹。しかしちゃっかり同じ課の若い事務員、原知佐子と浮気。いつものように彼女のアパートを訪ねると、帰り道に自宅の近所に住む保険外交員とすれ違い、つい挨拶をしてしまう。外交員の口から浮気がばれるのではと戦々恐々の桂樹さん。とこ
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1965年公開の東宝映画。ある意味ロクな人間が出てこない。戦後日本の権力構造というか政財界の闇を正面から扱った作品。原作は1962~1963年と約2年にわたり週刊新潮に連載された同名タイトルの長編小説。監督は須川栄三、出演は池内淳子、池部良、小林桂樹など。あらすじ良妻賢母のイメージが強い池内淳子さんが汚れ役。これだけでなかなかのインパクト。旅館の仲居として細々と働いているのだが、ある日客で来た池部
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1978年公開の松竹映画。監督は野村芳太郎、脚本は井手雅人。出演は緒形拳、岩下志麻、小川真由美など。あらすじと感想親が我が子を殺そうとする哀しい話。いまや珍しくもなんともなくなってしまった。じゃあ昔はそうでなかったかといえばそんなことはない。確か「黒い手帖」に著者が書いていたと思うけど検事から聞いた話がベースになってる短編なんだよねえ。子供が一人生き残るのも実話で、父親は獄中で発狂して死ぬんだった
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1975年公開の東宝映画。原作は松本清張の「黒い挨拶」第1話。あらすじ時は衆議院選挙真っただ中。派閥のボスに資金を頼むが断られ、当落線上にいる与党候補木谷(渡辺文雄)。なりふり構わずライバル派閥の大臣に助けを求め了承される。金の受け渡しは目立たない人間がいいということで、妹のムコ殿・省吾(青島幸男)を使い3000万を手に入れる――はずだったが、こともあろうに省吾が金を持ったまま蒸発。訴えようにも選
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原作が発表されたのは1959年。1978年にNHKでドラマ化、1983年に松竹で映画化、1998年にTBSでドラマ化されている。ヒロインの移り変わりでいえば大谷直子→田中裕子→田中美佐子。あらすじ静岡で印刷屋を営む小野寺(平幹二郎)。ある日、一人の老人が彼を訪ねてきた。田島(渡瀬恒彦)と名乗るその老人は県警の嘱託。「天城山殺人事件」という調書の印刷を依頼しに来たのだが、小野寺はその原稿を見て激しい
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1961年松竹で映画化。2009年にも映画化されている。テレビドラマでは何回やっとんねんて感じだが、6回やってる代表作。あらすじと感想ストーリーに関していえば単純といえば単純。見合い結婚して一週間後、金沢に出かけた夫が戻ってこない。新妻は金沢に夫を探しに行くが、夫は別人として自殺していた。遺書もあるし、自殺に疑いはないと思われた。しかし、新妻は夫の自殺に疑問を持ち1年後再び金沢へ――という話。で、
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1958年公開の東映映画。社会派推理小説ブームを巻き起こした松本清張。そのブームを作り出したのはこの「点と線」なわけだが面白いのはこの作品は動機に重点を置くのではなく、時刻表トリック始め謎解きの部分にウエイトを置いていたことだ。さらに面白いのは原作者は動機の部分を削ったのに、映画はその動機の部分を膨らませ前半をミステリー、後半は哀しい女のドラマとして構成していることだ。あらすじ映画のトップシーンは
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1958年公開の松竹映画。監督・大庭秀雄、主演・佐田啓二という「君の名は」コンビ。手形のパクリ詐欺という経済犯罪を扱ったところが新しかった。あらすじ昭和産業の会計課長が手形のパクリ詐欺にひっかかってしまい自殺。事の詳細を綴った遺書を受け取った中井貴一のおとっつあん佐田啓二は上司の無念を晴らすべく犯人を追い始める。事件を追ううちに金融業者の社長秘書に恋をし友人の新聞記者の協力を得ながら真相に近づいて
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1972年の松竹映画。原作は松本清張の短編「種族同盟」。主演はギラギラしている山崎努、円熟期の岡田茉莉子、初々しい松坂慶子。あらすじ多摩川渓谷でなじみの客を突き落とし殺した容疑で逮捕された温泉宿の女中(岡田茉莉子)。彼女は自分の無実を主張するが断然不利な状況。貧乏な国選弁護人(山崎努)が弁護を担当。彼には圧倒的不利なこの裁判に勝利して、弁護士会会長の娘(松坂慶子)と結婚する野望があった。二転三転す
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