時代劇映画「郡上一揆」を久々に観る

2000年の日本映画。
史実に基づく一揆を描いたことが画期的で、地元岐阜県の熱意が伝わる映画となった。

あらすじ

時は江戸時代中期・宝暦年間のこと。美濃国郡上藩で一揆が起こった。

郡上藩主・金森頼錦(河原崎建三)は
江戸の藩邸で官官接待に明け暮れる日々。

そのツケが百姓たちにまわされひたすら耐えてきたが
検見取りを強行するとあっては限界が来たのだ。

宝暦4(1754)年8月10日、郡内の各地から農民が八幡城下に集合。
藩に嘆願書を提出するために集まったのだが、その中に定次郎(緒形直人)もいた。

太平の世の中、訓練もしてない藩側は慌てふためき
家老が江戸へ事情を報告する旨を書いた免状を代表に渡した。集まった農民たちは大歓声。

同じころ、定次郎の妻かよ(岩崎ひろみ)が娘きよを出産した。
父・助左衛門(加藤剛)、母・たつ(林美智子)、妹はる(須藤温子)を始め喜ぶ一家。

だが、きよをとりあげてくれたつる(日色ともゑ)の夫は貧しい暮らしに耐えきれず首をつる。

翌年の夏、美濃群代の青木から再び検見取りの通達が。
一揆のリーダーである四郎左衛門(林隆三)は江戸藩邸への出訴を決意。
60余名の出訴人が選ばれ、その中には定次郎も含まれた。

藩側は仰天し強行に取り締まりを行った。
一揆から脱落するものも出始め、江戸出訴に赴いた農民たちの和も乱れ始めた。

定次郎や喜四郎(古田新太)らはご法度である公儀への直訴しか道は無いと決意する。

定次郎達は直訴に成功するが
長く宿預けになったあげく村預けという意外な裁定が下る。

大歓声を受けて迎えられる定次郎達だったが
裏切りなどもありその後も暮らしはよくならない。

定次郎達は三たび江戸に向かい目安箱に訴状を入れる。

今度こそ幕府は正式に訴状を受理した。
それを見届けた定次郎と喜四郎は北町奉行所に駆け込んだ。

もとより死罪覚悟の行動だった。
やがてこの一件に関わった幕閣には厳しい処罰が。
しかし、獄中の定次郎と喜四郎も厳しい拷問を受けていた。

次々と投獄される農民達。
その中には四郎左衛門や助左衛門もいた。

12月25日。画期的な裁決が出た。
金森頼錦は領地を召しあげられ、南部藩預かりとなった。

つまり、金森家はお取りつぶしになったのだ。

そして定次郎たちにも裁決が――という話。


感想

何がすごいって一揆の力によって支配者に対抗し
藩主更迭という勝利を収めたことは他に類をみない。

そりゃ今でも地元の英雄として語り継がれるのも当然。
3500人を超えるエキストラが出演した手作り映画。

ロケも郡上郡近辺で行われ、実際郡上一揆の子孫の方達が当時の農民を演じているようなものだ。

また、老若男女のドラマでもあり
村の長老たちの存在が村の人々全体の安心感に繋がっている。

どういう角度から見てもあらためて勉強になる映画。

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