1991年TBS系列にて放送。
古谷一行の金田一耕助2時間シリーズ第12弾。
ゲストは萩原流行、伊藤かずえ、奥田圭子、沖田浩之など。
あらすじ
昭和26年、倉敷で若い市会議員の家が全焼する事件が発生。
血まみれで倒れていた娘(伊藤かずえ)が助け出されるが、
彼女は記憶を失っており、服のネームから「珠生」という
名前だろうということしかわからない。
その1年後、京都・嵯峨野の宿で
ツィゴイネルワイゼンの旋律に想いを馳せる我らが金田一。
金田一は幼くして病死した妹のことを思い出していたのだ。
今まで見たことも聞いたこともない設定が
突然登場しようが驚くことなかれ。
なんとバイオリンを弾いていたのは相変わらず記憶喪失の珠生で、
何でそんなとこにいるかというと、珠生を助けたのは
嵯峨野の宿の息子・本堂啓一(沖田浩之)&妹・祥子(奥田圭子)だったのだ。
どんだけ偶然が重なったらそうなるのかと思うのだが、
本堂兄妹から珠生の記憶をなんとか~と頼まれた金田一が
倉敷の警察に飛ぶと、そこには転勤になった等々力警部(ハナ肇)の姿が(笑)
等々力警部は1年前の市会議員は失火による事故死じゃない、
捜査を打ち切られようと納得いくか~と調べていたのだ。
かくして1年前の事件に隠された真相を追って、
金田一の推理がまたまた始まる――という話。
感想
原作は『空蝉処女』。知らん。聞いたこともない。
金田一すら出てこん話のようだから、そりゃ知らんわね。
等々力警部は珠生を放火殺人犯と疑い、
金田一は珠生を庇うため、二人が対立する羽目に。
ここら辺の設定はいいですな。
殺された市会議員の腹違いの弟・萩原流行さんが中盤以降大活躍。
物語をこれでもかというぐらい引っ張ってくれる。
いろいろツッコミどころはあるけれど、
なんちゅうか振り切ってる面白さがありますな、全体的に。
ゲストもバランスがいいというか。
穂積隆信さんもいれば長内美那子さんもいたり。
『愛染かつら』の高石かつ枝とプロデューサーじゃねえの。
沖田浩之さんと伊藤かずえさんは言うまでもないが、
懐かしさといえば奥田圭子さんかなあ、やっぱり。
大映ドラマ『天使のアッパーカット』ですな。
一応というと変だけど、アイドルだったし。
『プラスティック』なんかは
作詞:秋元康、作曲:氷室京介というなんとゼータクな。
現代劇だけじゃなく時代劇も結構出てたんだけど、
今はどこで何しているのやら。
少々つじつま合わなくても、振り切るのが大事だなあと
あらためて思わせてくれた作品。