松本清張原作ドラマ「共犯者」(2006年版)を久々に観る

2006年に火サスの後にできたドラマコンプレックス枠で放送。
原作は松本清張の短編ミステリ。主演は賀来千香子。
とよた真帆、室井滋、細川茂樹、加藤治子、浅見れいな、佐野史郎などが出演。

あらすじ

おりからの和食ブームに乗って日本食レストランの
チェーン展開に成功したやり手の社長・内堀江梨子(賀来千香子)。

こちらも同じく時代の波に乗ったIT社長・倭誠一(佐野史郎)と会食し、
てっぺんとったんで!と別にNMBでもなければ関西人というわけではなく、
はたまた「エリー!」と叫ばれもせず更なる高みを目指す江梨子。

しかし、好事魔多しとはよく言ったもので。

単なる会食だったのに「親密デート」と
マスコミに書かれたからたまったものではない。
これも誠一のパフォーマンスなのかどうかはさておき、江梨子にはマズいことに。

実は江梨子には、ある過去があった。

江梨子が現在の地位を築くのに元手になった金は、
8年前に市場の同僚・町田夏海(とよた真帆)と共謀して奪った金だったからだ。

江梨子は偽名を使って探偵事務所を訪れる。
所長は若杉千香子(室井滋)。
念には念を入れまくって、違う調査を依頼してから
いよいよ本命の夏海の調査を依頼するのだが、そこには思わぬ落とし穴が――という話。


感想

映画化1回、テレビドラマは6回されている原作だが、
主人公と共犯者の両方が女性という設定は本作が初めてだと思う(たぶん)。

映画は根上淳さんが主役で、高松英郎さんが共犯者。
探偵役は船越英二さんという、なかなか濃いメンバー。
原作は逮捕されて終わったと思うのだが、映画は違ったような。

観る機会はありそうにないけど
テレビドラマ1962年版の加藤嘉・浜村純・西村晃というメンツは合いそう。

ザ・サスペンス枠の1983年版は観たと思う。
女子大生だったかOLだったか忘れたけど、
調査員になった2人の女性が数年前の強盗犯をハメていく話。

畑中葉子&片桐夕子のロマンポルノコンビが、
焦る平幹二朗さんを罠に落とす。共犯者は尾藤イサオさんだったかな。
崖から車落ちるのこれだったかな。ピカレスクロマン的要素があったような。

最近、記憶がかなりいいかげんなものがある。
もう一度見直してみようかね。

で、本作の話だが主要人物3人がすべて女性というのが良くも悪くも大きい。
こういう心理サスペンス的なのは女性の方が合う部分があるからねえ。

しかし、ドラマだけ見て松本清張は女性の心理を描くのが上手い。
なんて感想を持たれると本人も不本意? いや、意外と嬉しいかも。
なんせ生きてる間は女性を描けないとか散々言われてましたからな。

いろいろ読んだら決してそんなことはないのだけれど、
原作は男性なのでそこはねえ、原作も読めよとか思っちゃいますわな。

例えるならB’zを聴いてUFOやレッドツェッペリン、
ディープパープルを聴かないというか(ちと違うか)。
もしくは脚色した脚本家を褒めてくださいな。

本作のネタバレという点は・・・特にないかなあ。
要は共犯者の存在に怯えて成功した主人公が没落しちゃう
人間らしい心理とそれに関するサスペンスが見どころのところは変わらんような。
しいていえば結末、ラストのセリフなんかは全部女性にした意味があるかもね。

このあと2015年に観月ありさ主演で制作されたのが
今のところ最後だが、いつの時代にも共通する要素がてんこ盛り。
令和バージョンはどんな配役になるのか注目ですな。

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