1977年公開の日活映画。ロマンポルノの一作として封切られた。
原作は清水一行の同名小説。脚本は中島丈博、監督は田中登。
主演は永島暎子。古尾谷雅人(クレジットは古尾谷康雅)のデビュー作。
宮井えりな、絵沢萌子、山田吾一、砂塚秀夫、蟹江敬三、樹木希林など。
久米明、穂積隆信などもいてなかなか豪華なメンバー。
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あらすじ
埼玉県の中学で音楽教師をしている田路節子(永島暎子)。
ある日、放課後の音楽室でピアノの練習をしていたところ、
5人組の生徒にビニール袋をかぶされ強姦されてしまう。
主犯は問題児の江川(古尾谷雅人)と声で見破る節子。
ところが、「忸怩たる思い」しか言わない神野校長(久米明)、
安部教頭(穂積隆信)はことを荒立てたくない。
こんな時役に立つはずの教職員組合連中、
分会長の小林(蟹江敬三)、百合子(樹木希林)は
節子が江川を誘惑したというデマを信じて逆に責める始末。
デマをまき散らしたのは同じ音楽教師の美也子(宮井えりな)。
美也子は節子が襲われているのを廊下から見ていた。
反対側の廊下から見ていた瀬戸山(砂塚秀夫)は
江川の母親・明子(絵沢萌子)とデキていて、
節子の留守中に節子の弟・恵二(福田勝洋)を騙して
証拠のビニール袋を奪うわ、美也子と寝て口裏合わせるわ。
節子の味方は生活指導の影山(山田吾一)しかいなかった。
学校に出てきても授業にならず、退職届を出して節子は北海道で自殺未遂。
事件は闇に葬られたかと思ったが、意外な方向に展開する。
修学旅行中に江川が誘拐され、500万円の身代金が要求されたのだ――という話。
感想
原作のダイジェスト版みたいな印象も受けるが、これはこれでありでは。
ま、日活ロマンポルノ枠なもんで、裸は必須だし。
役立たず教職員組合員の蟹江敬三さんと樹木希林さんはさすが。
ワンシーンしか出てこないんだけどインパクトある。
原作で殺されるのは蟹江さんの役だったような。
終りの方で古尾谷雅人さんが暴れまわる姿は後の『丑三つの村』状態。
そういえばあれも田中登監督でしたな。
久米明さんはこのあと荒谷二中に行って改心したに違いない(笑)。
福田さんはどういうわけか教師になれて桜中学に行ったのだ、たぶん。
今では漫画原作者&小説家の室住光の方が有名だけど。
『都立水商!』なんか最高にオモロい。
原作は教師社会の閉鎖性とか鋭く描いていた。
今映像化してもいいんじゃないのって思うけどねえ。