1992年金曜ドラマシアター枠で放送された2時間ドラマ。
松本清張作家活動40年を記念して制作されたもの。
主演は若村麻由美。平幹二朗、田中実、芦田伸介、勝野洋などが出演。
あらすじ
舞台は原作通り昭和36年。
奈良の唐招提寺を訪れた芦村節子(浅田美代子)は
芳名帳に戦争中スイスで亡くなったはずの叔父の
外交官・野上顕一郎(平幹二朗)によく似た筆跡を発見。
帰京した節子は夫・亮一(勝野洋)や
野上の未亡人・孝子(河内桃子)にそのことを話す。
そこから野上の一人娘・久美子(若村麻由美)と
久美子のボーイフレンド・添田(田中実)は知らず知らずのうちに
戦時中の隠された歴史に巻き込まれていくことになる――という話。
感想
久美子と顕一郎のホームドラマの面、
添田のジャーナリストとして真実を追う社会派の面、
どちらもバランスよく見せるのはなかなか難しいものがある。
本作の場合は添田の比重が結構高い方かな。
最初結構添田目線でいってるように思うから。
そうすると久美子が真実に気づいてくる展開が唐突に見えてしまう。
添田と滝(芦田伸介)の会話から
添田と久美子に行くと説明的になっちゃうところが難しい。
ホントは久美子と添田を足して、
亮一を若返らせて添田にするとかしたらスッキリするかも。
やっぱり久美子と添田のキャラをそのままにして
両側からうまいこと描くのは2時間、実質90分でやるのはしんどいと思う。
ダイジェストみたいにどうしてもなっちゃうので。
切符貰って行ってきました~じゃなくてやっぱりそのシーンも欲しい。
しゃあないけどね、削らな入らんから。
映画版で顕一郎だった芦田伸介さんが滝役に。
顔見るたびにハミングが頭の中で流れてしまう(笑)