1985年TBS水曜ドラマスペシャル枠で放送された2時間ドラマ。
原作は松本清張の同名短編小説。
主演は若山富三郎&名取裕子。木内みどり、大和田獏、名高達郎などが出演。
あらすじ
地方の由緒ある旧家・菅野家の18代目である徳右衛門(若山富三郎)。
周囲からは殿様と呼ばれているが、その実態は徳右衛門の道楽で借金だらけ。
実の妹(三ツ矢歌子)にまで借金をしている有様の菅野家に
ある夜、泥棒(笹野高史)が入る。
娘の幸子(名取裕子)がそれに気づき、
住み込みのお手伝い・房子(木内みどり)に知らせるが
房子はその頃、徳右衛門と夜のお仕事を開始しようかというタイミング。
泥棒が唯一残った家宝の壺を盗もうとしているのを見て
なんとかなだめすかして取り返そうとする徳右衛門。
幸子、房子とのチームワークで泥棒を取り押さえ、
壺を無事取り返した徳右衛門はマスコミに大々的に報道される。
壺に数千万の価値があると知った房子は徳右衛門と結婚したがる。
それには幸子が早く結婚して家を出て行ってもらいたいわけだが、
当の幸子も徳右衛門もなんやかんや言いながら縁談を潰していく。
そんな時、東京から「古文書を見せてほしい」と
大学助教授・高森(大和田獏)が菅野家を訪れた。
熱心な高森に徳右衛門は幸子にくっつくよう勧める。
幸子も関心はそれほどないがこのあたりでということで
話はとんとん拍子で進むのだが、そこにイケメンで資産家の
桃川(名高達郎)が現れて――という話。
感想
ある意味風刺喜劇というか独特の感じが印象的な作品。
どこか浮世離れした父娘と現実的なお手伝い。
若山富三郎、名取裕子、木内みどりのアンサンブルが炸裂する。
で、ここからがネタバレ。
要は地方の旧家が結婚詐欺に合うお話。
大和田獏も名高達郎も朝丘雪路などみーんなグル。
詐欺に合うんだけど父娘もそこは浮世離れ感全開。
壺を持ってかれても蔵に眠っていた別の壺を
価値があるように見せて展覧会に出品する(笑)
逃げた房子もまた戻ってくるみたいな。
塩辛のやり取りとかいいシーンが結構あって、
人間の描き方がうまくできてるなあと思うドラマ。
原作はどんなんだったかね。もう一度読んでみよ。