1981年土曜ワイド劇場で放送。
原作は松本清張の同名ミステリ。
主演は小川真由美。山形勲、山本亘、山田吾一、池波志乃などが出演。
あらすじ
かつての銀座ナンバーワンホステス・三沙子(小川真由美)。
ところが今では経営している店のホステスから罵倒され、逃げられる始末。
ついてきてくれるのは由美(池波志乃)だけ。
そんな時、一流建築家の池野(山形勲)が常連に連れられ店を訪れた。
千載一遇のチャンスとばかり猛アタックした三沙子は池野と結婚することに。
しかし、池野の仕事を実質切りまわしているのは
経理主任の樋渡(山田吾一)と設計士の秋岡(山本亘)。
クレームがつくのは池野の仕事ばかりだった。
三沙子は秋岡に近づくが、それを察した池野との間にトラブルが――という展開。
感想
人間模様の描き方が好きな作品。
男に惚れさせて浮かび上がる人生の三沙子と
男に貢いで捨てられるを繰り返している由美との対比、
名声を得ている建築家でありながら才能が枯渇している池野と
実力があり欲がなかった男だが次第に野心を持ち始める秋岡との対比。
その中で立ち回る樋渡の山田吾一さんの存在感はさすが。
いるわあ、ああいう人。
社長令嬢の山本みどり、刑事の名古屋章と配置もいいし。
三沙子と由美がラーメンを食べるとこなんかいいシーン。
ドラマは葛藤と変化が大事というが、
その変化が納得いくというか切ない感じがたまらない。
無駄に人が死なないのもいいところ。
小道具の使い方やオチもいいし、もっと評価されてもおかしくない作品。
2002年にもドラマ化されているようなので、見比べてみたい。