1979年5月5日土曜ワイド劇場にて放送。
原作は演劇・歌舞伎評論家でもあった戸板康二。
主演は17代目中村勘三郎。近藤正臣、山城新伍、伊藤雄之助、
大出俊、村井国夫、高瀬春奈、波乃久里子、早乙女愛など豪華。
あらすじ
かつては花形記者だったが今は学芸部に回されている竹野(近藤正臣)。
物足りなさのある中で楽しみといえば、
推理マニアの歌舞伎役者・中村雅楽(17代目中村勘三郎)との語らい。
雅楽は名優であると同時に、服のシワなどから
相手の状況を察してしまう名探偵でもあった。
その日も雅楽を訪ねてきた竹野。
舞台では「車引」が演じられ、歌舞伎の好きな江川刑事(山城新伍)も観客席に。
順調に進んでいた舞台だったが、大見えを切る場面で
当次(伊藤雄之助)が突然口から血を流して動かなくなってしまう。
客席が騒然とする中、雅楽・竹野は江川の捜査に協力することに。
死因は青酸カリによる毒殺。
息子の当太郎(大出俊)が怪しいと見られたが、
金貸しも行っていた当次を殺す動機のある者は少なくない。
さらに連続殺人が巻き起こり、雅楽の推理はいかに――という展開。
感想
すごーく昔に観て以来。こんな話だったっけ。
たぶん午前中に2時間サスペンス再放送とかしてる時代に観てんだけど。
その頃の印象より今観た方がなんかいいな。
やっぱり作りとかいろんなことを理解しているから。
特に観る側から作る側になってるからね、今は一応。
なんちゅうても伊藤雄之助さんの怪演が印象的。
速攻死んでもったいないなと思ってたらなんと双子がいたという展開に。
結局両方殺されてしまうのだが(笑)
もうその頃には犯人の見当はつく。
つかなきゃある意味どうしようもない。
木下忠司さんの音楽がいいやね。
監督が斉藤武市さんってのも何となく合う。
思いきり日本の伝統芸能ってのが面白い。
こういうマッチングの仕方もあんのね。
近藤さんは相変わらず近藤さんだし、
山城新伍さん&早乙女愛さんは数年後に『女猫』やんのかあと思ったり。
17代目と波乃さんは実の親娘だし。
だから歌舞伎のシーンが長くてもなんか観ちゃう。
この頃はちょうど土曜ワイド劇場が2時間になった頃かな。
当初は90分でやってたもんね。
それまでのドラマは基本1時間や30分だったから。
ようやく続けていけると軌道に乗った頃の作品。
しかし観てると昭和は遠くになりにけりって感じですな。