1983年フジテレビ系で放送された時代劇。
原作は松本清張の同名時代小説。
本作の他、1959年に大映で市川雷蔵主演で映画化。
1960年、2016年にテレビドラマ化されている。
主演は毎度おなじみ古谷一行。
山口果林、中島ゆたか、山形勲、北村和夫などが出演。
あらすじ
時は江戸後期、天保の時代。
精力絶倫だぜイエーイ状態ばかりが逸話で残る11代将軍・家斉だが、
松平定信を使い寛政の改革を行うなどそれなりのことはやっていた。
この頃は次男・家慶に将軍職を譲っても大御所として振舞い、
相変わらず大奥で盛んに手を付けまくっていた。
その家斉(浜田寅彦)が側室招いて花見しながら催した歌会で事件が起こる。
若い側室・お多喜の方が事故死したのだ。
これに乗じて家斉の愛妾・お美代の方(中島ゆたか)の養父で
幕閣を支配している中野石翁(山形勲)が好機到来とばかり策略を練る。
決して柳沢吉保ではない。当たり前だが。
こうした幕府の腐敗を正そうとする脇坂淡路守(北村和夫)は
縫またの名前を登美、まあどっちでもいいけど斉藤とも子を女中として大奥に送り込む。
とも子は石翁に父親を殺された身だったのだ。
淡路守の甥で平凡すぎる名前の島田新之助(古谷一行)は
淡路守のやることなんざどうでもよかったが、
ある出来事をきっかけに友人の医師・良庵を理不尽に殺され静かに怒りを燃やす。
新之助は石翁と対決していくのだが――という話。
感想
古谷一行の総髪姿の似合いなさ加減がある意味素晴らしい。
しかし話が進むにつれ、似合っているような感じもするから不思議なもんである。
島田新之助ってこれまたねえ。いっそ徳田新之助…にはならんか。
斉藤とも子とのほのかな恋…ってなかなかの年の差のような。
なんで斉藤とも子が台に細工するのかイマイチよくわからんのだが。
それを聞いてよくやったって淡路守アンタも悪ちゃうのみたいな。
その斉藤とも子に横恋慕というか一方的に好きになり
挙句の果てには完全ストーカー状態となって斬っちゃう平泉征さんがインパクト大。
そして彼女の死を悲しむ古谷一行の姿は
名探偵と言いながらひたすら関係者が死ななきゃ
犯人を指摘できない金田一耕助リターンズといってもおかしくないだろう。
まあツッコミどころ満載であろうが何しようが
山形勲&菅貫太郎がいればどんな時代劇でもまともに見えるから不思議。
こういう人たちの存在があったればこそ、時代劇は面白かったのだ。