1993年4月27日火曜サスペンス劇場で放送。
原作は1961年刊行の松本清張の同名小説。
主演はこの頃清張ドラマ御用達だった古谷一行。
増田恵子、矢崎滋、石橋蓮司などが出演。
あらすじ
カメラマンの田代(古谷一行)は撮影中に
元妻・礼子(増田恵子)が怪しげな男といるのを偶然発見。
別の場所に撮影に行った時もその男を見つけ、
木箱を湖に捨てている姿にシャッターを押す。
群馬を訪れた田代は偶然礼子と再会。
ところが、礼子はすぐ東京に戻るよう忠告。
そして礼子と仲のいいクラブのママが死体で見つかった。
発見現場は二度目に怪しげな男を目撃した場所から近い。
礼子は何か事件に首を突っ込んでいるのか。
元総裁の失踪も絡んだ事件の輪はだんだん広がりを見せ、
関係者が次々と謎の死を遂げていく。
そして田代の協力者までもが失踪。
さらに田代と礼子の身に危険が迫る――という話。
感想
原作はずいぶん昔に読んだような。
礼子を田代の元妻にしている設定はなかなかいいですな。
ま、悪い側から見れば田代とっとと殺さんかいという話なのだが。
現実の世界でもそれで終わりでしょ。
それでは話にならんから当然田代は最後の方まで生きるのだが(笑)
すごくまとまってていいと思うんだけど、まとまりすぎかな。
キレイに行き過ぎというかね。
元総裁の失踪とかある割にはね、ドロドロ感がないのよね。
やっぱり影の地帯ってぐらいだからそのあたりが欲しかったかな。
まあ下請けの悲哀感はあったけど。
原作はこの1993年版の他は、1962年、2015年にテレビドラマ化。
さすがに1962年版を観る機会はないと思うけど、
2015年版だったらあると思うから見比べてみたい。