1976年公開の時代劇映画。
農協映画製作委員会が企画した作品。
世界で初めて農民を協同組合に組織した江戸時代後期の
農政学者・大原幽学を主人公にした群像劇。
監督は山本薩夫、主演は平幹二朗。
浅丘ルリ子、大竹しのぶなどが出演。
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あらすじ
天保の大飢饉が日本全土を覆った時代。
農村では厳しい年貢の取り立てに抗議して一揆が頻発。
そんな中、利根川周辺では飯岡の助五郎(ハナ肇)と
笹川の繁蔵(加藤武)との間で新旧やくざの抗争が続いていた。
長部村に住み着いた浪人・大原幽学(平幹二朗)は
農民たちを指導し、農業改革を進める。
ある日、借金のために身を売りながら
農民に戻りたい女、たか(浅丘ルリ子)が
馴染み客の平手造酒(髙橋悦史)を振り切って村に帰って来た。
幽学の教えにもたかの心は閉ざされたまま。
助五郎の子分にだまされて博奕の借金返済に
追い詰められた村の者が米を盗んだ。
幽学は太刀を手にして単身助五郎と繁蔵の賭場に殴り込んでいく――という話。
感想
大原幽学という人に共感するかどうかがポイントになってくる。
なんやかんや言うのだが、最終的には村を出て行こうとしちゃうから。
それは主人公としてどうじゃろ、と言う気はせんでもない。
浪曲でおなじみ助五郎とか繁蔵とか平手造酒とか出てきて
同じ時代を生きた人々の群像劇になってるのだがまあそれもどうなのか。
実在の大原幽学本人も最終的には村の荒廃を嘆いて自害。
このあたりもねえ、なんかノレない部分ではある。
清く正しく美しくって人物の描き方は難しいですな。
「バカや腑抜けは泣けばいいんだ」と話すたかの方が共感できる。
ノブ役の大竹しのぶさんはさすがだなあと思うけれど。
この頃、まだ映画は2本目ぐらいなのにねえ。
農民の群像劇ってところが新しい映画かな。