1972年公開の日活ロマンポルノ。
主演の伊佐山ひろ子がキネマ旬報主演女優賞を受賞するなどロマンポルノの枠を超え、
日本映画を語るうえで欠かせないエポックメイキング的な作品として評価されている。
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あらすじ
夏の日差しが照り付ける中、大阪にやってきたストリッパーのはるみ(伊佐山ひろ子)。
彼女は現在のヒモと出所帰りのヒモ(粟津號)と話し合う予定だったが、現在のヒモが逃走。
仕方なく出所帰りと元さやに戻る。
はるみの仕事先は大阪・野田にある吉野ミュージック。
そこではるみは人気絶頂のストリップの女王、一条さゆり(本人)に対抗心を燃やす。
仲良く話しかけながらも嫌がらせをするが、全く相手にされない。
劇場のガサ入れでたびたび検挙されたり、レズの相方(白川和子)と揉めたり、
ヒモがまた刑務所に送られようが何しようがはるみはしぶとく生き残っていく――という話。
感想
昔シネ・ヌーヴォで観て以来。
よく言われるのは「仁義なき戦い」に影響を与えたということ。
これは脚本の笠原さんが観に行った時ヒントを得たということからなのだが、
別に映画のドラマ性に触発されたわけではなく、どちらかといえばドラマ性の無さと
何やってもいいんだというエネルギッシュさ、アナーキーさに触発されたということである。
タイトルは一条さゆりがメインだけど、映画のメインは伊佐山ひろ子。
そのむき出しの人間性の描写に一役買っているのが当時の大阪の風景。
ほとんどは東京で撮影したらしいのだが、時折出てくる場所は何となくわかる。
阪神野田駅って思いきり出てくるし、
野田阪神(あったのね、この頃から)に降りていく場所が見えてたり。
周囲の店舗とかそういうのは全然違うんだけど、雰囲気はあるわねえ。
ちょっとだけ出てくるけど、これ梅田駅ちゃうかなあってとこもある。
伊佐山ひろ子が上がっていくところ。
あと新しいヒモの高橋明と乳繰り合う場所、あれ何て言うのかな
ジェットコースターってほどのもんでもないな、ただ回るだけのやつ。コースター?
あれは向こうに阪急が見えるから阪神の屋上かなあと思うんだけど
確かに阪神百貨店に屋上遊園地ってあったわね。
どこでロケしとんねんって話なのだが。後ろに子ども乗ってるし。
はたまた交差点のシーンとか、ゲリラ感満載。
まあこういう熱量が「仁義なき戦い」を書かせたんだろうなあと。
そういう点は今観ても学ぶべき点があんのよね。
「なかなかなんけ~なかなんけ~」という音楽とか、
最後の方に出てくる若かりし中田カウス・ボタンなど見どころも多い。
シナリオを勉強する人は一度見ておいた方が映画。