1983年公開の松竹映画。
原作は松本清張の同名小説。監督は野村芳太郎。
出演は勝新太郎、岩下志麻、松坂慶子、渡瀬恒彦、いしだあゆみなど豪華絢爛。
残念ながらなぜだかDVD化はされていない。著者が評価しなかったせいもあるが。
1992年にはTBSでテレビドラマ化されている。
あらすじ
次期総裁を狙う通産大臣の寺西(勝新太郎)。
首相の桂(芦田伸介)からの禅譲を期待しているが、
一寸先は闇で魑魅魍魎の世界である政界のこと、何が起こるか分からない。
そんな寺西を支えているのは妻・文子(岩下志麻)と
私設秘書の外浦(渡瀬恒彦)のツートップ。
汚れ役を自認する外浦は金にまつわるもみ消しなどいろんな裏工作を手掛けていたが、
秋の総裁選に向け派閥争いが激化していく中、突如私設秘書を辞任する。
しかも、東南アジアで外浦は事故死。
外浦の大学の後輩で政治家のスピーチのゴーストライターをしている
土井(寺尾聰)は、外浦からある重大なスキャンダルの中身を託されていた。
だが、土井は過激派の内ゲバに見せかけて何者かに殺されてしまう。
果たして総裁選の行方は? そして権力に群がる者たちの運命は――という話。
感想
久々に観てもやっぱり面白い。
まあとっ散らかってると言えばそうではあるが、
それぞれのキャスティングがすごーくハマっている。
なんでこれをDVD化せんのかねえ。
なんぼ著者が嫌と言っても、他にスカはいくらでもあるじゃないの。
どれとは言わんが。
勝新太郎と岩下志麻の凄さは言うまでもないとして、
渡瀬恒彦の妻役のいしだあゆみさんが凄くいいんだよねえ。
文子と外浦が関係あるってわかってて、文子と会うシーンとかね。
もっと女優として評価されてもいいと思うんだけど。今以上にね。
岩下志麻さんはこの三年後に総裁候補夫人から極妻へ(笑)
個人的に感情移入するのは殺される寺尾聰さんの土井かなあ。
あれ、原作では結構比重があったと思うんだけど。
でも土井の視点でいっちゃうと普通のサスペンスものみたいになるし
映画には不向きな視点というか話が小っちゃくなるわなあ。ものづくりってのは難しい。