1967年公開のマカロニウエスタン。
ジュリア―ノ・ジェンマとリー・ヴァン・クリーフという
マカロニウエスタンが生んだ二大スターの個性が激突。
バックボーンのディティールの緊密さと、
ガンマン十か条の心得がラストに活きてくる脚本が見事。
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あらすじ
舞台はメキシコに近い町、クリフトン。
スコット(ジュリア―ノ・ジェンマ)は掃除夫として過ごす毎日。
彼は娼婦の子として生まれたことから住民から蔑みの目で見られている。
いつか一人前のガンマンになり、こいつらを見返したい。
それだけがスコットの願いだった。
そんなスコットの願いをかなえてくれそうなのがタルビー(リー・ヴァン・クリーフ)。
ある日、町にやってきて酒場で侮辱を受けた自分の代わりに
住民を撃ち殺して正当防衛が認められ、悠々と町を出ていったのだ。
タルビーの代わりに住民たちからリンチを受けたスコットは、
タルビーに銃の手ほどきをしてもらおうと後を追った。
タルビーは「決して他人を信用するな」「決して銃と標的の間に立つな」
「危険な時ほどよく狙え」「傷を負わせたら殺せ。見逃せば自分が殺される」などガンマン十か条をスコットに叩きこむ。
ガンマンとして成長していったスコットは
タルビーとともに街に舞い戻り自分を蔑んだ連中に仕返しするのだが――という話。
感想
今まで観たマカロニウエスタンの中で最高傑作。
何回観てもホントに素晴らしい。
まず設定が絶妙。
娼婦の子として生まれ蔑まれ傷ついた少年が、
拳銃という権力を使いこなせるようになった途端、
気分も大きくなっていく変化が「わかるなあ」と思う。
こういうのジェンマだからハマるんだろなあ。
他だったら無理だわ、クリちゃんとかネロちゃんとか。
絶対似合わない(笑)
銃の手ほどきを受けた師匠と対決するわけだが、
そこに至るまでの展開が素晴らしい。
結局誰とでも都合がいいなら手を組む銀行家とか
こういうキャラもなかなか際立っている。
そしてタルビーの悪事の過去を知る元保安官。
スコットのただ一人の味方なんだけど、死んじゃうんだよねえ。
だからこそ最後の対決が盛り上がる。
そしてこの音楽。これがまた素晴らしい。
オープニングからラストに至るまで魅力的な最高のマカロニウエスタン。